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NICHIGO PRESS 2012年9月7日
http://nichigopress.jp/ausnews/law_news/42688/
「盗まれたiPadをアプリで発見は合法」判決
被告人の「違法な証拠収集」論斥けられる
iPadを盗まれた男性が、iPhoneのアプリケーションを使って、盗まれたiPadの所在を見つけ、警察に通報し、警察が訴えに応じて、問題の所在地を家宅捜索し、数々の盗品を発見した。
ACTの簡裁での裁判で、窃盗容疑の被告人の弁護人が、
「iPhoneのアプリケーションを使って、iPadの所在を発見したのは違法行為」
として、被告人の無罪を主張していたが、9月7日、簡裁判事が、
「iPhoneのアプリケーションを使って、自分のiPadの所在を追跡したことは違法ではない」
との判断を下した。
裁判で明らかにされたところでは、被害者男性Mr. Sは、iPadを自宅から盗まれた。
iPhoneにインストールした追跡アプリケーションを使って、iPadがあると見られる民家の前までたどり着いた。
そこで、iPhoneからiPadに通話してiPadを起動させ、民家のガレージから自分がiPadに設定していた呼び出し音が鳴るのを確認した。
Mr. Sは、そこから警察に赴き、警察はその民家を家宅捜索し、Mr. SのiPadだけでなく、大量の盗品を発見した。
しかし、民家所有住人は、
「捜索令状は、汚染された証拠に基づいて発行された」
として、盗品の検査で比較する指紋押捺を拒否した。
また、その民家所有住人の弁護士は、
「Mr. SがiPadを発見する行為によって、Mr. Sは、民家所有住人の敷地に電子的かつ物理的に違法に立ち入っており、違法行為によって発見されたiPadには証拠能力がない」
と主張した。
9月7日、ロレーン・ウォーカー簡裁判事は、
「証拠は合法的に得られたと認められる」
と判断を下した。
また、
「技術問題にはある程度無知であることは認めるが、この事件での男性の証拠収集は、麻薬犬に、人間の臭いをかがせてドラッグを嗅ぎ出すのと似ているのではないか」
と述べ、さらに、
「同じように、iPhoneからiPadに送信された電波は社会的共通財産であり、電波はどこにでも飛んでいく。
もし、iPhoneからiPadに電話したことが違法な住居侵入になるのであれば、誰でもラジオのスイッチを入れる度に法を破ることになる」
として、被告人の主張を全面的に斥けた。(NP)
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【気なる目次(4)】
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