2012年10月30日火曜日

「これからはアジアとつきあう時代」

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NICHIGO PRESS 2012年10月29日
http://nichigopress.jp/ausnews/world/44858/

「これからはアジアとつきあう時代」
オーストラリア首相、「アジアの世紀白書」を発表

 1996年から2007年までのジョン・ハワード保守連合連邦政権は、「オーストラリアのイギリス回帰」の時期で、それまでの「アジア言語」教育が大幅に削られたことは記憶に新しい。
 2012年、ジュリア・ギラード労働党連邦政権は、
 「21世紀はアジアの世紀、アジアには膨大な中間所得階層が生まれる。
 オーストラリアはそのアジアと密接な関係を結ばなければならない」
と述べ、ハワード保守連合に敗れる前のポール・キーティング労働党政権のアジア外交政策、ロス・ガーノウ教授の提唱していた政策の回復を予告している。

 ギラード首相は、その手始めとして、現在進められている学校予算配分の大幅見直しにあわせて、アジア言語教師大幅増員を計画している。
 また、白書の中では、
 「すべての学校生徒が、北京語、ヒンドゥー語、インドネシア語、日本語のいずれかを継続的に学習する」
ことが挙げられている。
 ただし、その予算負担については、ゴンスキ教育制度見直しの一部として連邦、州、準州の政府間の協議が必要になる。

 朝のABCラジオ・ナショナル放送番組に出演したギラード首相は、
 「アジア言語教育は全国学校改善計画の中心に置く。
 その予算改革は、2014年からの学校予算配分の基礎とする。
 この計画には大量の言語教師が必要になるが、同時に、現在敷設を急いでいる全国ブロードバンド・ネットワークも国内全学校で活用される」
と語っている。
 ただし、アジア言語教育も、アジアの世紀をオーストラリアが最大限に活用するために勧告されている、白書に盛り込まれた25項目の「全国目標」の一つに過ぎない。

 保守連合は、政府の考えを原則的に支持しているが、財源については疑問を提出している他、野党保守連合ジュリー・ビショップ副リーダーは、
 「白書はあまりにも労働党の政策を支持しすぎている。
 政府部内で白書を改ざんしたのではないか?」
と疑義を挙げている。

 香港とマカオのオーストラリア企業の連合体、香港・マカオ・オーストラリア商業会議所のアンドリュー・ステッドソン会頭は、
 「オーストラリア企業がアジアに精通するにはかなりの努力が必要だ。
 しかし、すでにそれに手を付けている企業がたくさんあることを無視することはできない」
と述べている。

 政府の白書に対して、
 「この政策を実行に移すには、アジアに詳しい大勢の教師や外交官が必要になるが、一朝一夕に増やせるものではない」
と疑問を投げかけている。
 シドニー大学Asian Studies Programのエイドリアン・ビッカーズ部長は、
 「アジアとの関係を緊密にするために必要な事柄を挙げたリストとしては非常に良くできているが、そのことをはっきりさせるまでになぜこれほど時間がかかったのか。
 アジアの世紀に入ってからすでにかなりの歳月が過ぎている。
 ずっと前に、アジア諸国との関係強化を図るべきではなかったのか?
 追いつくまでにかなりの努力が必要だと思う。
 私の分野で言えば、アジアの大学はすでにかなり進んでいる。
 世界大学ランキングを見れば分かるが、アジアの大学は急速にランクを上げている。
 テクノロジー進化、社会変化、政治変化なども、オーストラリアが追いつくためだけでもかなり苦闘しなければならない分野だ。
 しかも、白書の勧告を実行に移そうにも資金も資源も不足している。
 白書に盛り込まれている言語教育だが、(ハワード政権のアジア言語教育縮小以来)学生は大学の言語プログラムからどんどん離れているというさなかの発表だ。
 どこの大学でも、たとえばインドネシア語教育は経済的に採算が取れないとしてコースの廃止を考えているさなかだ。
 国内の2大学では、十分な予算が取れない、または十分な予算を取るために必要となる学生数が集まらないため、プログラムそのものの廃止を検討している。
 それを国内全大学で考えれば、言語プログラムを続けるために必要な人数の学生を集めることは、市場の原理からもむずかしいことだ」
とかなり悲観的に語っている。

 また、連邦議会調査委員会でも、
 「現在の外務省外交官ネットワークが、対アジア政策を支えるに十分な力があるか?
 同省は過去30年間常に予算不足に悩まされてきている。
 オーストラリアは、アジアやアフリカを含めたかなりの地域で外交官が不足している」とされているが、ボブ・カー外相は、
 「外務貿易省予算が増額されればありがたいが、現在の当省は十分な外交官を配置している。
 駐ジャカルタ大使館は最大だ。
 東チモール、ミャンマー、モンゴル国との外交は成功している。
 これまでの2,3週間の間に、シンガポール、韓国、ミャンマー、タイ、フィリピン、日本の代表やASEAN事務総長が当省を訪れている。我が国の外交は強力だ」
と語っている。(NP)







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2012年10月29日月曜日

世界の石油需要の伸び、今後5年で鈍化

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レコードチャイナ 配信日時:2012年10月29日 9時37分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65894&type=0

世界の石油需要の伸び、今後5年で鈍化―IEA報告

 2012年10月25日、フランス・パリに本部を置く国際エネルギー機関(IEA)はこのほど中期石油市場報告を発表した。
 同報告は今後5年間の世界の石油市場について、世界経済の減速と原油増産などを背景に、世界の石油需要の伸びが鈍化し、原油価格が緩やかに下落すると予想した。

 報告は、2016年までの世界の石油需要の年平均増加率をこれまでの予想(1.3%)を下回る1.2%と予測。
 世界の石油需要は今年の日量8979万バレルから2016年には9500万バレルに達するとした。
 北米と欧州の石油需要は、2011年にはそれぞれ日量2410万バレル・1440万バレルだったが、2013年には2380万バレル・1370バレルと、徐々に減少すると見られる。
 その他の地域では石油需要が緩やかに増加する見通し。

 報告はまた、5年後には世界の石油供給量が日量1億200万バレルに達し、需要を上回るだろうと予想。
 さらに、石油供給に有利な情報として、
 ▽.リビアの戦後の石油生産量が急速に回復しつつある
 ▽.サウジアラビアの石油生産量が30年ぶりの高水準にある
 ▽.イラクの石油生産量が10年以内に2倍となる見込み
 ▽.北米のシェールガスなど非在来型エネルギーの採掘に進展が見られる
―などを挙げた。

 報告はさらに、北米は5年後までに徐々に原油の自給自足を実現するほか、OPEC(石油輸出国機構)の危機対応に向けた遊休生産能力も高まり、現在の365万バレルから5年後には500万バレル以上に達するだろうと予測した。

 OPECは先ごろ、2012年の石油需要の1日あたり増加量を80万バレルに下方修正している。
 OPECはこれについて、世界経済の疲弊によるものとし、
 「世界の石油需要は、不安定な世界経済、工業生産の鈍化による影響を引き続き受けるだろう」
と指摘した。

 米国、EUなどの経済の不確定性が世界の石油需要に影響している。
 日本とインドはそれぞれ福島原発事故と夏季の停電の影響で石油に対する需要が高まっている。

 IEAのマリア・ファン・デル・フーヘン事務局長は、
 「石油市場が緊迫していた状況はまもなくひと段落し、徐々に緩和に向かうだろう。
 報告に示される石油需給のバランスはより合理的となった」
との見方を示す。

 一方あるアナリストは、
 「世界の石油需要の伸びが鈍化していることは積極的なシグナルではない。
 これは世界経済の先行きに対する悲観的な見方の表れであり、世界経済に再び警鐘を鳴らしている」
とした。

 石油需給関係の変化に伴い、石油価格は下落するだろうか?
 IEAの専門家はこれについて、
 「石油価格は安定化に向かうが、しばらくは依然として比較的高い水準を保つだろう。
 2017年にはEU、米国、日本の石油輸入平均価格が1バレルあたり89ドルとなり、今年の107ドルを下回るだろう」
とした。







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2012年10月28日日曜日

大学も変わらなければ:必要な基礎知識はインターネットで十分な時代に

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NICHIGO PRESS 2012年10月26日
http://nichigopress.jp/ausnews/science/44686/

「オーストラリアの大学は運営方針を変えるべきだ」
教育も新しいビジネス・モデルに

 民間企業が実施した第三者による検討で、
 「オーストラリアの大学はビジネス・モデルを考え直さない限り、破綻への時間が迫っている
と評価されている。

 アーンスト&ヤング社が作成した報告書によれば、今後10年でオーストラリアの国立大学のほとんどが、
 「政府の予算削減とオンライン教育の興隆の板挟みになってやってゆけなくなる」
としている。
 報告書執筆者のジャスティン・ボーカー氏は、
 「調査で20大学の40人のリーダーにインタビューした結果、支配的な大学運営モデルでさえ、良くいっても持続性がないという結論に達した。
 政府の大学予算は厳しくなっているし、競争も厳しくなっている。
 新しいアプローチが必要だ。
 基礎知識が必要ならインターネットで見つけられる。
 従って、大学も変わらなければならない。
 デジタル時代に対応した大学に変わらなければならない。
 2012年には、政府が大学出資方法を変更しており、制度内の競争が強化された。
 また海外留学生の存在が高等教育部門を支え続けてきたが、その高等教育部門の競争が高まっており、各大学はそれぞれの特長を強化し、他の大学との差別化を図り、同時に贅肉を落とすことが必要だ」
と語っている。

 さらに、
 「今や2学期制さえ過去になりつつある。大学は年間を通じて開講しなければならない」
と述べている。(NP)







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2012年10月25日木曜日

家を売って世界を転々とする引退生活

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ウォールストリートジャーナル 2012年 10月 25日  16:54 JST
http://jp.wsj.com/Life-Style/node_536005?mod=LatestCoBrand

家を売って世界を転々とする引退生活

 私は70歳。私の夫、トムは66歳。
 それぞれの人生の大半をカリフォルニア州で過ごしてきた。
 今日の住み家は、自分たちとそれぞれの30インチのスーツケースが存在する場所だ。

 わかりやすく言えば、私たちは高齢のジプシーだ。
 2011年の初め、私たちはカリフォルニア州の家を売り、いくつかのとっておきたい物を縦3メートル横4.5メートルの物置に移動させた。
 それ以来、私たちはメキシコ、アルゼンチン、フロリダ州、トルコ、フランス、イタリア、英国などの家具付きアパートに住んできた。
 クリスマスに米国に一時帰国するまでの向こう2カ月間はアイルランドとモロッコに住むつもりである。

 私たちが現在住んでいるのは、ロンドンの中心街から電車で25分、テムズ川から90メートルの距離にある1ベッドルームのアパートで、この原稿もそこで書いている。
 私たちには引っ越しの才能があるのだ。
 新しい家に荷物を降ろして数分以内に、そこを自分たちのものにしてしまう。
 目覚まし時計をベッドの脇に置き、お気に入りの野菜の皮むき器とすぐに測れる温度計をキッチンにしまい、それぞれのノート型コンピューターの電気コードをコンセントにつなぎ、電源を入れる。
 そして、私たちは家電製品を機能させる方法を一緒に学び始める。

 こうしたことを考えると、私たちは定住するのが好きなジプシーと言った方が的確だろう。
 少なくとも1-2カ月は定住しているのだ。

 こんなことをしている理由は単純だ。
 夫と私は、メキシコ旅行中の本音の会話で、2人とも放浪しているときの方が幸せだということを実感した。
 共に健康を維持しており、世界各地を3週間の休暇では味わえない方法で見て回りたいという願望も共有している。
 外国で現地の人のように住むという考えにスリルを覚え、18カ月近く「家なし」の生活を続けた今も、それを決断して良かったと思っている。
 パリやイスタンブールに住んでいると、家に閉じこもっている日でさえ、面白いことがたくさんある。

 しかし、これを実践するのは口で言うほど簡単ではない。
 とはいえ、そこそこの老後の蓄えがある多くの退職者ならば、私たちのような生活が楽しめると思う。
 一カ所に定住している場合と同様、放浪生活の予算は、支出の優先順位をどうするか、どういったライフスタイルを追求したいかで変わってくる。
 たくさんの衣装が必要で、豪華なディナーパーティを開くことに生きがいを感じている人は、私たちの生活に魅力を感じることはないだろう(そもそも貸間で魅力的な食器を提供してくれるところなどめったにない)。

 私たちにも自分たちの正気を疑う瞬間がある。
 イスタンブールで豪雨の中、完全に道に迷って膝まで水浸しになったり、パリの3階のバルコニーで閉め出されたことに気付いたときなどは、一時的に後悔することもあった。

 しかし、私たちは3つのことを学んだ。

 第1に新しい状況に対処し、外国にいながら複雑な旅行計画を立てることで、脳の老化を防げるということ。

 第2に、こういう生活を送っているのは私たちだけではないということ。
 私たちは日常的に引退生活を送っている人々に出会う。
 長期休暇を楽しんでいる人もいれば、私たちと同じような放浪生活をしている人、外国に永住している人などがいる。
 私たちが旅を始めて間もなく出会ったある男性は私にこう言った。
 「私たちのように、余生の楽しみ方を知っている人はたくさんいる」

 第3に、リスクを補って余りある喜びや感動が得られるということ。これは最も重要なことである。「自宅」のリビングからフィレンツェのスカイラインを眺めたとき、「近所」の角を曲がったらエッフェル塔のてっぺんが私たちにウインクしていたときには、苦い経験など吹き飛んでしまうのだ。

■思い切ってやってみる

 国際的なノマド(放浪者)になってみるのも面白そうだと思ったが、私たちはまず、そうしたライフスタイルを実践するための
経済的余裕を生み出す必要があった。
 いろいろと計算してみた結果、カリフォルニア州の家を売れば、世界のほとんどの場所で快適に暮らせるということがわかった。
 固定資産税や屋根の修理代を支払わなくて済むようになると、列車の旅が思う存分楽しめるようになるのだ。

 金銭面の具体的な話をする。私たちのファイナンシャルアドバイザーは、毎月約6000ドルを送金してくれる。
 これは投資から得られた収入だ。
 この他に社会保障給付金や少額の個人年金も受け取っている。
 住宅費、クルーズ料金、航空運賃、ホテルの宿泊料などの前払い金には約2万ドルの「予備資金」を利用し、通常のキャッシュフローには影響を与えないようにしている。

 私たちは経費を予算内に収めるために単純な戦略を守っている。
 パリやロンドンといった物価が高いところに住んだら、次はメキシコ、トルコ、ポルトガルといった物価が安いところに住んでバランスを取る。
 週に数回は外食するが、ほとんどは自炊している。
 私は料理が好きで、食料品の買い物はその国のことを学ぶ上で有効な方法だと思う(ブエノスアイレスで重曹を見つけるのは予想以上に難しかった)。

 私たち以上に節約することも可能だろう。
 まずは住居費から始めるといい。
 外国の賃貸料は大きさ、季節、場所、基本的な設備によって異なってくる。

 それでも駄目なら、お金のかからない場所を歩いたり、見物したりすることをお勧めする。

■多くのチャンス

 飛行機、列車、バス、タクシー、自家用車、フェリーなどさまざまな交通手段を利用してきたが、現在最も気に入っているのはリポジショニング(回航)で大西洋を横断する船旅である。

 クルーズ会社が季節に応じて客船を移動させる必要があるとき、料金は格安になる。
 オフシーズンに仕事を数週間も休んで大西洋を横断する人があまりいないからだが、目的地に行けて、宿泊もでき、2週間以上にわたって豪華な食事ともてなしを楽しめるのだから、私たちにとっては理想的だ。
 客船で旅行すると到着した場所で時差を感じることもなく、長期訪問の目的地としてはおそらく選ばないが、それでも興味深い場所を見て回ることができる。

■土地になじむ

 私たちは地元に住んでいる人から住居を借りることに関して最高についている。
 交通機関や買い物に関する情報を得たり、無理のない程度のリクエストに応じてもらったりし、至らない部分があっても通常はすぐに修正してもらえる。
 パリのアパートの大家に鍋やフライパンが少しくたびれていると話すと、その大家は翌日に新しい料理道具のセットと2つのステンレス製のフライパンを持ってきてくれた。

 もちろん、どの目的地でもいくつかの厄介な問題に直面する。
 食料品の買い物の仕方を覚える、現地の交通機関を利用する、インターネットに接続する、腕のいいヘアサロンを探す、暖房・冷房装置や聞いたこともないブランドのDVDプレーヤーを操作するなどはそうした問題の一部である。

 不慣れなキッチンでは、食事を作るのに苦労することもよくある。
 電子レンジの使い方がフランス語やトルコ語で書かれていると、食事の準備は大幅に遅れてしまう。
 また私たちが遭遇したすべての洗濯機・衣類乾燥機にはいくつもの未知のコースが搭載されていた。

■今のところは素晴らしい経験ばかり

 私たちのライフスタイルで最もスリルを感じるのは、通常の生活では決して出会えない人々と交流できることだろう。

 パリで近所にあったお気に入りのチーズ屋は、来客の時間にちょうどいい感じで溶けることを保証してブリーチーズを選んでくれ、実際にその通りになった。
 フィレンツェの街並みを見下ろすテラスで開かれたディナーパーティでは、若くて優秀な2人のセルビア人教育者や国際的に有名なイタリア人の詩人と出会った。
 トルコのクシャダスでは16世紀に建てられた美しいホテルに滞在したが、ある午後のひと時、私はそこのオーナーとバックギャモンをして過ごした。
 こうした瞬間は、マニュアル車の運転と左側通行に慣れようとしているときにロンドンの渋滞に巻き込まれるといった居心地の悪い瞬間を忘れさせてくれる。

 私たちは所有物からの解放感も感じている。
 旅先で会う人々は私たちの家、骨董品、芸術品や他の所有物のことなど気にせず、私たち自身に興味を示してくれる。
 これはホームフリー生活がもたらした恩恵の1つであり、おかげで他の人々と驚くほど素直にかかわれるようになった。

■インターネットでつながる

 私たちは家を持つことをやめたので、月々の支払いもほとんどない。
 オンラインの支払いサービスを利用し、マイレージが貯まるように買い物のほとんどにクレジットカードを使っている。
 郵便物は娘が受け取ってくれているが、その枚数はゼロに近づいている。

 インターネットの接続環境が良好であることは必須条件だ。
 コンピューターは私たちと家族や友人との交流を維持し、旅行の計画を立てるのにも役立っている。
 また映画やテレビ番組の英語放送がないところでは、娯楽をもたらしてもくれている。
 私たちのそれぞれがノート型コンピューターと「iPhone(アイフォーン)」を1台ずつ持っており、アマゾン・ドット・コムが販売する電子書籍リーダー「キンドル」には愛読書や旅行ガイドが収容されている。

 家族や友人に頻繁に会えないのは当然さびしいが、彼らは私たちのことを許してくれ、私たちが近くに家を借りて遊びに行くときには大歓迎してくれる。
 私たちのファイナンシャルアドバイザーでさえ、私たちの計画がうまくいっていることを渋々認めているぐらいだ。

 カリフォルニア州の敷地面積230平方メートルのゆったりした家を売却し、パリやイスタンブールの45平方メートルのアパートに住むことは、私たちにとってむしろ有利な取引だと思っている。
 かつての重厚なガスコンロ、ブランド物の鍋やフライパン、巨大な冷蔵庫は、今ではままごとセットのサイズのシンク、ホテルのミニバーのような冷蔵庫、かなり怪しげな調理器具に取って代わられている。
 私たちはシンクが1つしかないバスルームを共有し、13インチのコンピューター画面で映画を観ている。

 それと同時に、私たちはランチで天国から来たとしか思えないパテを食べ、牛たちでさえ美しく見える風光明媚なフランスの田舎でドライブを楽しみ、イタリアでは食後の運動にアルノ川沿いを歩いている。

 何らかの問題が起きるまで、私たちがこの生活をやめることはないだろう。

(筆者のリン・マーティン氏は世界各地を転々としながら執筆活動を続けている)

記者: Lynne Martin 







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2012年10月22日月曜日

スエーデン・アカデミー「ノーベル文学賞を1千億円で売り渡した」

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BLOGOS 2012年10月19日 02:28
http://blogos.com/article/48639/

木村正人のロンドンでつぶやいたろう
http://kimumasa2012london.blog.fc2.com/blog-entry-106.html

中国作家、莫言氏のノーベル文学賞受賞をめぐり、スウェーデン・メディアが大紛糾
 「1千億円で文学賞売り渡した」

 スウェーデン・アカデミーが2012年のノーベル文学賞を中国の農民作家、莫言(モオ・イエン)氏(57)に授与すると発表したことをめぐり、スウェーデン在住41年の飯塚宜生(のりお)さん(70)からとんでもないニュースが飛び込んできた。

 「スウェーデンが中国から90億クローナ(約1088億円)の投資を受ける見返りにスウェーデン・アカデミーが文学賞の魂を売り渡したのではないか」
と、主要紙ダーゲンス・ニュヘテルをはじめスウェーデン・メディアが大騒ぎしているというのだ。

スウェーデン・メディアが報じた疑惑の数々を列挙してみる。

【疑惑その1】
 日本の村上春樹氏ではなく、莫言氏を強く推したとみられるスウェーデン・アカデミーの中国文学担当ヨーラン・マルムクヴィスト氏は
 「おそらく一部の人々から彼がどうして受賞したのかという疑問の声が上がるだろう。
 しかし、彼の作品を読めば、その後、喝采に変わるだろう」
と授賞発表後に話していたが、莫言氏の数作品を自らスウェーデン語に翻訳して選考委員に配布した上で、出版社から出版する予定だった。

 莫言氏がノーベル文学賞を受賞すれば、翻訳作品がヒットするのは確実で、マルムクヴィスト氏には高額の翻訳料が転がり込む疑いが浮上した。
 マルムクヴィスト氏はあわてて、
 「出版社から翻訳料は受け取らない。ボランティアで翻訳した」
と釈明に追われた。

【疑惑その2】
 授賞発表当日の10月11日、中国中央テレビ局(CCTV)のクルーが会見場に来ており、誰が招待したのかといぶかる声が広がった。
 莫言氏の下馬評が高かったとはいえ、CCTVがノーベル文学賞の取材に来るのは初めてだった。
 スウェーデン・アカデミーは懸命に招待疑惑を否定した。

【疑惑その3】
 授賞発表当日の朝刊で、スウェーデン・アカデミーのホーラス・エングダール前事務局長の妻がダーゲンス・ニュヘテル紙に対して
 「文学賞の受賞者を知っているが、公開できない」
とコメント。
 発表まで門外不出とされる文学賞受賞者名が家族とはいえスウェーデン・アカデミーの選考委員以外に漏れていたことで、「文学賞の権威も地に墜ちた」との批判が渦巻いた。

【疑惑その4】
 これが最大の疑惑だ。
 2010年、ノルウェー・ノーベル賞委員会がノーベル平和賞を中国の民主活動家、劉暁波氏に授与したため、ノルウェーの元首相が中国から入国を拒否されるなど、両国関係は完全に凍結している。
 これに対し、中国の温家宝首相は今年4月、スウェーデンを訪れ、環境問題の研究・産業育成に使ってもらいたいと90億クローナを投資すると発表。
 中国の首相がスウェーデンを訪れるのは約30年ぶりだった。

 スウェーデン側は当初、あまりに高額なので欧州連合(EU)全体で90億クローナと思ったらしいが、スウェーデン一国で90億クローナと聞いて、ビックリ仰天。
 しかも返済しなければならない「融資」ではなく「投資」で、環境問題なら何に使ってもいいという気前の良さだった。

 このため、
 「スウェーデンは90億クローナでノーベル文学賞の尊厳を中国に売り渡したのではないか」
という論調が高まっているという。

 一方、10月14日、ドイツ・ブックトレード平和賞を受賞した中国の詩人、廖亦武(リャオ・イウ)氏は
 「子供たちを虐殺しているこの帝国(中国)は崩壊しなければならない。
 崩壊へのカウントダウンは始まった」
とスピーチして、スウェーデン・メディアの喝さいを浴びた。
 廖氏は1989年の天安門事件を批判する長詩『大虐殺』を発表して投獄されたことがあり、昨年、ドイツに逃れて、ベルリンで暮らしている。

 アンゲラ・メルケル独首相と中国の蜜月ぶりが欧米の懸念を招いているが、ドイツ文学界は政治・外交と一線を引いて見せた。

 ノーベル文学賞の選考過程は50年経たないと公表されない。
 莫言氏の作品には体制への鋭い批判が込められているとの評価もあるだけに、数々の疑惑は「理想主義」と「人道主義」を長年、旗印にしてきたノーベル文学賞の権威に大きなシミを残したのは間違いない。(了)







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2012年10月20日土曜日

もうひとつの権力闘争、中国国有企業の光と影

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ロイター 2012年 10月 19日 14:06 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE89I03A20121019

焦点:もうひとつの権力闘争、中国国有企業の光と影

 [香港 17日 ロイター] 
 来月、指導部交代を控える中国共産党が、大胆な改革に踏み出している。
 巨大国有企業の独占解体だ。
 しかし、国有企業の抵抗は激しい。

 大手国有企業の中でも、特に強大な力を持つ送配電会社、国家電網公司――。
 7月31日、インドが2日連続で大規模な停電に見舞われると、同社の劉振亜・総経理(党中央候補委員)は、すかさず北京に管理職を集めた。
 緊急会議の議題は「いかにしてインドの二の舞を避けるか」。
 劉総経理が下した結論は「送配電事業の独占を崩してはならない」というものだった。

 国家電網公司は、11億人に電力を供給する世界最大の公益会社だ。
 送配電網は中国全土の9割をカバー、従業員は160万人に達する。

 「単一企業だからこそ安定した電力供給を実現できる」――。
 故郷の山東省でエンジニアとして出発し、したたかな政治力で巨大組織のトップに上りつめた劉総経理が、現状維持を望むのは想像に難くない。
 しかし、目を引くのは、劉総経理が指導部に公然と反旗を翻していることだ。

 温家宝首相は今年、
 「鉄道・電力産業などの改革を進め、非国有経済の発展を促す政策を実行・完成させる必要がある」
と表明、独占事業の解体に乗り出した。

 巨大な国有企業をめぐっては、汚職・浪費・消費者への価格転嫁など、弊害を指摘する声が多く、来月の党大会で正式に決まる新指導部も、温首相の方針を基本的に踏襲するとみられている。

 薄煕来・前重慶市書記の解任劇で内部の権力闘争が露呈した共産党には、非効率な国有企業を解体し、経済の活性化を図る強い圧力がかかるとみられるが、同党は、経済面でも深い亀裂を抱えている。

<共産党が生んだ怪物> 

 日に日に強大になる国有企業は、共産党が生み出した「怪物」だ。

 90年代に勢いを失った国有企業は、公有制を経済の主体とする党の方針を追い風に、その後の10年で再び息を吹き返した。
 現在、国有企業とその関連会社は、国内の生産と雇用の半分以上を生み出している。
 米経済誌フォーチュンの2012年版世界企業500社にランクインした中国本土企業は70社。
 うち65社が国有企業だ。
 劉総経理が率いる国家電網公司は世界7位に位置する。

 エコノミストは、肥大化した国有企業がイノベーションを妨げ、民業を圧迫していると批判。
 「今後、輸出の伸び悩みが予想されるため、国有企業の独占を崩し、民間の潜在力を活かす必要がある」(中信証券のチーフエコノミスト、諸建芳氏)
との見方が多い。

 ただ、共産党が公有制の根本的な転換や、巨大国有企業の民営化を検討しているわけではない。
 党が目指しているのは、大企業の分割や、現在国有企業が独占しているエネルギー・通信・鉄道・銀行業への民間資本の導入だ。

 国家統計局の邱暁華・元局長は
 「新指導部は、現在国有企業が独占している一部の産業に競争原理を導入する可能性がある」
としながらも
 「公有制を経済の主体とする基本原則から外れることは絶対ないだろう」
との見方を示した。

 新指導部が大手国有企業との対決姿勢をどこまで強めるかは、まだ不透明だ。
 ただ、複数の規制当局筋は、次期最高指導者への就任が確実視されている習近平副主席などの経歴を踏まえると、民間を活用する方向で改革を進める公算が大きいと指摘する。
 習氏は、市場経済が発達する福建省・浙江省・上海市でトップを務めた人物だ。

 もっとも、国有企業も強大な権限を握っている。
 大手国有企業は、国有銀行からほぼ無制限に融資を受けられ、国の重要産業を独占。
 そのトップは共産党内で要職を担い、政治的なコネクションも豊富だ。
 劉総経理も、党の最高指導機関である中央委員会で候補委員を務めている。

 党の中央理論誌「求是」は先月、国有企業批判は中国経済をおとしめようとする欧米の陰謀だとする論文を掲載。
 「民営化が事業独占の問題をすべて解決すると夢想してはならない」
と論じた。

<銀行の競争>

 銀行業界では今年、改革派が白星をあげた。
 6月7日、中国人民銀行(中央銀行)は預金・貸出金利の一部自由化を発表。
 預金者や融資先の獲得で、銀行に競争を促した。

 改革を主導したのは、ここでも温首相だ。
 首相は4月「銀行があまりにもたやすく利益を得ている」として、改革の必要性を訴えていた。

 ただ、関係筋によると、この改革は国有銀行の激しい抵抗にあった。
 発表の数日前、北京で開かれた極秘会議では、改革を進める周小川・人民銀行総裁に、国有銀行幹部が激しく詰め寄った。
 会議に出席した中国銀行の肖鋼総経理は感情的になり、金利自由化は銀行業界を危機にさらすと、何度も机を叩いて訴えたという。

 大手国有銀行は98年以降、相次いで政府の救済を受けた。
 2008年には4兆元の大型景気対策を支えるため、政府の指示で大量の融資を実施。
 その結果、不良債権が膨らんでいる。

 中国では、劉志軍・前鉄道相が収賄容疑で解任されるなど、独占事業に絡む汚職の問題も指摘されている。

 国家電網公司の前身である国家電力公司でも、2002年に贈収賄疑惑が発覚。
 劉氏の上司だった高厳・総経理が国外に逃亡した。
 同社では帳簿操作・裏金作り・経費水増しなども明らかになり、複数の幹部が逮捕された。
 高厳・元総経理は今も逃亡生活を続けている。

 不正発覚後、政府は電力業界の改革を断行。
 国家電力公司を発電事業と送配電事業に分割した。
 この分割で誕生した送配電会社が、劉総経理率いる国家電網公司だ。

<さらに大きく>

 政府内では、国家電網公司の分割論が浮上している。
 送電会社と配電会社に分割する案や、地域ごとに事業を分割する案などが検討されており、国務院(内閣)は今年、送電・配電事業の試験的な分割を指示した。
 ただ、試験がいつ実施されるのか、実際に試験が行われるのかも不明だ。

 対する劉総経理は、国家電網公司をさらに大きくするという大胆な対案を掲げている。

 国際会議の常連でもある劉総経理は、送電ロスの少ない超高圧(UHV)送電網の導入や「スマートグリッド」などの必要性を内外で強く主張。
 送電業界の未来を切り拓く先駆者としてのイメージをアピールしている。
 共産党機関紙・人民日報は「今年のエネルギー業界の顔」に劉総経理を選んだ。

 UHVは技術的な課題が多く、導入費用も高額。
 大規模な送電網では利用実績に乏しいが、劉総経理は長距離送電に革命を起こすとして、全国を横断するUHV送電網を最大20区間建設する構想を掲げている。

 専門家によると、総工費は最大2500億ドル。
 この壮大な構想が実現すれば、国家電網公司の独占力が一段と強まるとの見方も一部で出ている。

 認可権を持つ国家発展改革委員会は、これまでのところ、同社が申請したUHV送電網のうち5区間しか認可を出していない。
 経済性、技術上の問題、環境への影響などをさらに調査する必要があるというのが、委員会側の主張だ。

 調整はまだ続いているが、劉総経理は、国家電網公司にとって良いことは中国にとって良いことだという持論を繰り返し、同社の独占を維持すれば、送配電会社が乱立するインドのような大規模停電は起きないと政府関係者に訴えている。

 ロイターは劉総経理に取材を申し入れたが、国家電網公司からの回答はなかった。

 国家電網公司の社員に劉総経理の主張について尋ねると、こんな答えが返ってきた。
 「会社が大きいかどうかはあまり関係がない。大切なのは健全かどうかだ」――。

(Charlie Zhu, David Lague 記者;翻訳 深滝壱哉 編集 加藤京子)







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2012年10月9日火曜日

山中伸弥京都大教授にノーベル生理学・医学賞

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● iPS細胞の概念




朝鮮日報 記事入力 : 2012/10/09 08:05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/09/2012100900389.html

日本人、2年ぶり19人目のノーベル賞

また日本、また京大…
山中伸弥京都大教授にノーベル生理学・医学賞
英ガードン教授と共同受賞   

 スウェーデン・カロリンスカ研究所のノーベル委員会は8日、ノーベル生理学・医学賞受賞者に京都大学の山中伸弥教授(50)と英国ケンブリッジ大学のジョン・B・ガードン教授(79)を共同選定したと発表した。
 人工多能性幹細胞(iPS細胞)の開発と応用過程に寄与したことが認められたもの。
 日本は2年ぶりのノーベル賞受賞に歓喜している。
 これまでに5人の受賞者を輩出している京大に、もう1人新たな受賞者が加わった。

■日本政府、50億円支援

 山中教授は同日の記者会見で
 「私は無名の研究者にすぎなかった。(東日本大震災や経済不況という状況の中だが)国の支援がなかったら研究は不可能だったから、まさにこれは日本という国が受賞した賞だと感じている」
とあいさつした。
 日本政府は2010年、同教授の研究が難病治療に画期的な貢献をするものとみて50億円の支援を決定した。
 山中教授は
 「来年(iPS研究を)網膜疾患の治療に応用する臨床試験が開始されるだろう。
 数年以内には心臓疾患の治療にも応用される見通しだ」
と語った。

 山中教授は1987年に神戸大学医学部を卒業後、整形外科の研修医として勤務していた際、慢性関節リウマチの女性患者が苦しむ様子を見て大きな衝撃を受けたのをきっかけに、難病治療を研究することを決心、93年に米国に留学した。
 そして2004年からは京大に在職している。
 日本人では10年にも2人がノーベル化学賞を共同受賞している。
 しかし、若者たちの理工系離れなどが深刻化しており、このままではノーベル賞受賞者がいなくなるのでは、との懸念もあった。
 そうした中、比較的若い山中教授が応用分野の広いiPS細胞の開発・研究で受賞することになり、日本中が興奮している。

■日本人ノーベル賞受賞者19人目

 今回の受賞で日本人のノーベル賞受賞者は19人に増えた。
 日本は今後発表される化学賞・物理賞・文学賞などでのさらなる受賞も期待されている。
 日本人の受賞は基礎科学分野に集中しているのが特徴。
 今回の受賞者を含め科学分野が16人、文学賞が2人、平和賞が1人だ。
 科学分野では物理学賞7人、化学賞7人、生理学・医学賞2人となっている。

 今回受賞した山中教授が所属する京大は日本初のノーベル賞受賞者を出した大学でもある。
 京大は東京大学に比べ自由な校風で知られており、独創性を重視する研究が中心ということもあって、ノーベル賞受賞者を出す大学として有名だ。
 初の日本人ノーベル賞受賞者は京大の湯川秀樹教授だった。
 湯川教授は1949年に物理学賞を受賞、戦後の廃虚の中にあった日本国民は自信を取り戻した。

■実験中心の教育が源

 日本は小学校から実験や興味に基づく科学教育をすることで知られている。
 ノーベル物理学賞受賞者の南部陽一郎シカゴ大学教授はインタビューで
 「物理学の面白さはパズルのような謎を解く楽しさ。
 小学校の理科の時間が一番興味深かった」
と話している。
 こうした科学教育は一般の会社員までもノーベル賞受賞者にした。
 02年に化学賞を受賞した田中耕一氏は東北大学卒業後、島津製作所に入社、エンジニアとして勤務しながら研究を続け、受賞の栄誉に輝いた。
 日本は東大・京大のほか名古屋大学・東北大学・北海道大学などからも受賞者を出している。




毎日新聞 2012年10月09日 07時00分
http://mainichi.jp/select/news/20121009k0000m040087000c.html

山中氏ノーベル賞:実用化になお課題 がん化リスク未解決

●ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)のかたまり=山中伸弥教授提供

 ノーベル医学生理学賞に決まった京都大iPS細胞研究所の山中伸弥・同大教授(50)が作り出したiPS細胞を医療で利用するには、安全性や倫理的な問題が残されている。

 人工的に作り出したiPS細胞には安全性に未知の部分が多く、性質にばらつきがある。無限に増える性質を持つため、作成した臓器の中にiPS細胞が残っていれば、増殖してがんになる恐れがある。

 当初、iPS細胞作成に使う遺伝子の中にはがん由来のものも含まれていたため、移植後の「がん化」が最も心配された。その後、がん遺伝子を使わない作成法などが開発され、がん化の危険性は減っている。さらに、山中教授の研究仲間の高橋和利・京都大講師らは今年6月、横浜市で開かれた国際幹細胞学会で望み通りの細胞になりにくくがんになりやすい「低品質」iPS細胞について、見分ける目印遺伝子を見つけたと発表した。

 しかし、現段階では、人体に入れても安全な品質を担保する「標準化」は実現していない。それに加え、再生医療のため患者個別のiPS細胞を作成することは、現状では費用も時間もかかるため、現実的ではないと考えられている。

 同じ白血球型であれば拒絶反応が少ないこともあり、山中教授は白血球型ごとにiPS細胞を備蓄しておく「iPS細胞バンク」構想を表明。今年7月には「iPS細胞ストック」を構築する意向を発表、基盤整備が始まったところだ。

 ◇究極の個人情報 倫理確立が急務
 倫理面での課題もある。iPS細胞はもう一つの幹細胞である胚性幹細胞(ES細胞)と異なり、受精卵を壊さないが、京都大のチームが今月、マウスのiPS細胞から卵子と精子を作ることに成功、子どもも産ませたことで、幹細胞からの生殖細胞(卵子と精子)作りをどのように規制すべきか早急に検討する必要が出てきた。

 そもそも人間の臓器や組織を人工的に作り、道具のように扱う医療行為への疑問もある。患者由来のiPS細胞には、最高のプライバシーとも言われる患者本人の遺伝情報が含まれている。病気の解明や創薬のために作ったiPS細胞の管理や研究結果の取り扱い、細胞提供を受ける際のインフォームド・コンセントの取り方についても、十分な議論が求められる

 勝木元也(かつき・もとや)・基礎生物学研究所名誉教授は「新たな自然の法則を明確にしたのは学問的にすばらしい。今後は、安全に医療に応用できるよう、きっちり実験をしていくべきだ」と話した。iPS細胞を使った基礎研究の第一人者、須田年生・慶応大教授も「安全確認に時間がかかるので、一つ一つ壁を乗り越えていく必要がある」と語った。







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低迷が続く日本経済 & 中国経済の明るい未来

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レコードチャイナ 配信日時:2012年10月9日 6時47分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65314&type=0

低迷が続く日本の経済指標、日中関係悪化も原因のひとつ―中国メディア

 2012年10月7日、日本メディアによると、日本政府は10月の月例経済報告で景気の基調判断を引き下げることを検討している。
 9月には「回復の動きに足踏みがみられる」としていた表現を「弱含んでいる」に変える。
 下方修正すれば3カ月連続となる。
 共同通信によると、日本銀行(中央銀行)は5日の金融政策会合で国内景気認識を前回の「持ち直しの動きが一服している」から「横ばい圏内の動きとなっている」に下方修正した。
 世界経済の減速と日中関係悪化で輸出や生産が「弱めとなっている」ことの反映だ。

 日本銀行が10月に発表した9月の企業短期経済観測調査では、大企業製造業の業況判断指数(DI)はマイナス3と、3四半期ぶりに悪化した。
 中小企業製造業のDIはマイナス14と前回より2ポイント低下し、3四半期連続で悪化、昨年6月以降最低の値となった。
 経済産業省が9月28日に発表した8月鉱工業生産指数は1.3%低下。
 業界は9月も引き続き低下するとの見方で一致している。
 日本経済のバロメーターであるこれらのデータが、人々の間に日本経済の将来への懸念を再び引き起こすことは間違いない。

 東日本大震災の復興作業は今年日本経済の発展を牽引するものとして大いに期待されたが、その結果はまだなんとも言えない。

 アナリストからは「これらの調査結果には最近の日中関係悪化の要素がまだ反映されていない。
 対中輸出が2011年度に12兆5000億円で輸出全体の19%を占めていたことを考えると、
 日中関係が好転しない状況が続くと、輸出は重大な影響をこうむるだろう。
 7月中旬にすでに引き下げた2.2%という実質GDP成長率見通しでさえ達成は困難となる」との声が上がっている。




レコードチャイナ 配信日時:2012年10月8日 20時21分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65308&type=0

散らかるごみ、ぼったくりのレストラン、車で埋まる高速道路
…「恐怖」覚える中国の大型連休―米紙

 2012年10月8日、環球時報によると、中国では今年9月30日から10月7日まで中秋節と国慶節(建国記念日)の8日間の大型連休に多くの人が帰省や旅行に出かけたが、人の多さやマナー問題について海外メディアが驚きの声を上げている。

 ロサンゼルス・タイムズは今回の大型連休を「恐怖」と形容した。 
 観光客は大量のごみを残し、レストランはぼったくり、車であふれる高速道路はまるで駐車場のよう。
 この大型連休を
 「中国経済を成長の方向に導く道しるべ」
と伝える海外メディアもあった。
 中国経済の明るい未来が読み取れるとしている。

 CNBCテレビは、中国の公式データとは異なり、少なくとも中国の消費者からは自国経済への自信が見てとれると伝えた。
 中国人の購買意欲はすさまじく、多くの国が恩恵を受けている。

 しかし、雲南省昭通市彝良県で起きた山崩れや香港のフェリー衝突事故など、死傷者を出す大型事故も発生した。
 また、仏紙ル・モンドは11月8日から開かれる第18回党大会や連休中も行われた尖閣諸島の領有権主張など、問題は山積していると伝えた。







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2012年10月8日月曜日

米民間宇宙船、打ち上げに成功 初の商業輸送ミッション

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●NASA提供



CNNニュース 2012.10.08 Mon posted at 11:46 JST
http://www.cnn.co.jp/fringe/35022768.html?tag=cbox;fringe

米民間宇宙船、打ち上げに成功 初の商業輸送ミッション

(CNN) 米民間宇宙開発企業スペースXは現地時間7日午後8時35分、無人宇宙船「ドラゴン」を搭載したロケット「ファルコン9」をフロリダ州ケープカナベラルから打ち上げた。
 同社は5月に打ち上げを成功させていたが、今回が初の商業輸送ミッションとなる。

 打ち上げから約10分後、ドラゴンはロケットから切り離され、国際宇宙ステーション(ISS)へ向かった。
 米国時間の10日にもISSに到達し、宇宙飛行士サニータ・ウィリアムズさんと星出彰彦さんがロボットアームを使って回収する。

 米航空宇宙局(NASA)はスペースXと総額16億ドル(約1260億円)相当の契約を結び、12回にわたってISSへ補給物資を輸送する。
 今回はこの契約に基づく初のミッションとなる。
 これに先立ちスペースXは今年5月、ドラゴンを打ち上げてISSにドッキングさせ、地球に帰還させる実験を成功させていた。

 ドラゴンは食品や衣料品、コンピューター機器など約450キロの物資をISSに届け、引き換えに実験機材や修理が必要な機材など900キロあまりを積んで、10月下旬に地球に帰還する予定。

 宇宙ビジネスに進出している民間企業はスペースXにとどまらない。
 米オービタル・サイエンシズ社もNASAとの間で約20億ドル(約1570億円)相当の補給物資輸送契約を結んでいる。
 同社は数カ月以内にバージニア州沖のワロップス島からロケットを打ち上げてISSに到達させる実験を行う見通し。

 スペースXとボーイング、シエラネバダの3社はさらに、有人宇宙船の開発も進めている。







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ワイロは誰に贈ったらいいの?

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レコードチャイナ 配信日時:2012年10月8日 7時12分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=65273&type=0

高級品市場まで冷え込んだ
……政治がすべてを決める国・中国の政権交代―台湾メディア

 2012年10月5日、台湾・中時電子報は、目前に迫った中国共産党最高指導陣の交代の影響で、高級品市場が打撃を受けていると報じた。

 11月8日、中国共産党第18回全国代表大会(十八大)が開催され、習近平(シー・ジンピン)体制が誕生する。
 米紙ニューヨークタイムズは最高指導陣が交代するこの期間は、通常の経済運営モデルが姿を消すと混乱の理由を説明した。

 人事の交代は高級品市場にも影響を及ぼす。
 中国の高級品市場は16~20%が高官向け贈答品で占められているというが、
 人事がはっきりしない今は誰に贈っていいかわからないのだという。
 ある高級時計店経営者は「十八大」が終わるまで贈答品需要はないでしょう」と話している。







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2012年10月1日月曜日

中国経済の見通し:中国国内での弱気の蔓延

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JB Press  2012年9月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36107

中国経済の見通し、外国の強気筋vs国内の弱気筋

 中国東部の都市、天津で今週行われた世界経済フォーラム(WEF)に出席した大物経営者や世界の指導者たちの間には、実に興味深い分裂が生じたように見える。

 中国の情勢に関する中国高官やアナリストたちとの静かな会話や目立たない場所でのおしゃべりでは、落胆ムードや皮肉な見方が広がっていたが、外国人参加者の中国に対する見方は概して強気で楽観的だったのだ。

 広告代理店WPPのCEO(最高経営責任者)、マーティン・ソレル氏はテレビ放映されたパネルディスカッションで、中国経済が減速しているとの考えを一蹴したように見えた。
 WPPでは中国事業が今年1~7月に15.5%増加したとソレル氏は語った。

 中国の公式統計ははっきりしている。
 中国経済では減速が続いており、
 国内総生産(GDP)の年間成長率は2010年初めの12%超から今年第2四半期の7.6%まで落ち込んでいる。

 中国の貿易、生産、投資、消費の低調さから判断すると、この成長率はさらに低下する可能性が高く、
 今や世界第2位の経済大国となった中国の年間成長率は今年、1999年以来最も低くなる見込みだ。

深刻な不況と大規模な社会不安を予想する中国エコノミスト

 天津の会議に参加した多くの外国人の楽観論とは対照的に、ある名高い中国人エコノミストは本紙(英フィナンシャル・タイムズ)に対して、次のように話した。

 「私は中国が非常に深刻な不況を経験すると考えており、それが既に始まっていると思っている。
 政府は今、経済を安定させようとしているが、政府が持つ手段は非常に限られている。
 もし政府が事態を好転させられなければ、その場合は
 非常に大規模で広範な社会不安が生じる
 だろう」

 匿名を希望したこのエコノミストの注目すべき見解は、
 わずか数年前にはまだ非常に強気だった中国の学者や政府高官たちの間で驚くほど一般的だ。

 危機に見舞われた欧州や、まだ景気後退の瀬戸際にいる米国の目から見れば、これは、中国の経済的奇跡を演出した全能の政策立案者たちが下すにしては非常に奇妙な評価のように思えるに違いない。

 かつて中国に対して弱気な見方をしていたのは大抵外国人だったが、現地の人は訳知り顔でただ微笑み、10年足らずで自国経済の規模を3倍にするという仕事に取り掛かっていた。

外から見ると、中国がこれほど強く見えたことはないが・・・

 今は外から見ると、過去200年以上にわたり、中国がこれほど豊かで、力強く、自信を持ち、止められないように見えたことはない。
 だが、奇跡の真っ只中にいる人たちの多くにとっては、
 中国とその現行制度は、少なくとも過去10年間では今ほど壊れやすく脆弱に見えたことはない。

 世界の経済界では多くの人が、中国の指導者が知恵と先見の明という超人的な力を持っていると評価しているようだが、
 内実を知る立場の人は、独立した法制度や経済的、政治的な意思決定を行うための透明性の高い仕組みがない体制の非効率性や歪みにはるかに敏感だ。


 例えば、次期国家主席の習近平氏はどこに行ったのかと思っているのは外の世界だけではないという点は指摘しておく価値があるだろう。
 中国の13億4000万人の国民や8300万人の共産党党員のうち、恐らく数十人を除いては習氏の居所を誰も知らない。

 習氏は恐らく数日内に再び姿を現すだろうし、政府は経済が大きく躓かないように今後数カ月のうちにさらなる景気刺激策を発表する可能性が高いが、不安の高まりや不確かなムードはそう簡単に好転しない。

 中国政府が2008年の金融危機に対応して打ち出したような大規模な景気刺激策を公表する可能性は低く、成長が過去10年近くの平均である2ケタの水準に戻ることはないだろう。

交渉のテーブルの「馬鹿な外国人」?

 これが意味するのは、中国が世界経済を救ってくれると期待している世界の投資家がほぼ確実に落胆すること、そして恐らく投資家は自分たちの前提を見直すべきだということだ。

 非常に大きな西側の資金運用会社のある幹部は、今週のWEFで中国高官やアナリストたちと私的な会談を重ねた後で、まさにその通りにしていると本紙に語った。

 「ここで聞いた話を思い返すと、今は自分が、もう荷物をまとめて空港にかけつける準備ができている中国人を相手に交渉のテーブルに着いている馬鹿な外国人なのではないかと不安になっている」

By Jamil Anderlini in Beijing
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