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NICHIGO PRESS 2012年11月20日
http://nichigopress.jp/ausnews/science/45508/
火炎竜巻生成を世界で初めて確認
2003年のキャンベラ森林火災で
強烈な火災で炎が竜巻のように渦の柱になる火炎旋風(fire whirl)はよく知られているが、オーストラリアの科学者が火炎竜巻(fire tornado)を確認した。
火炎竜巻が科学的な証拠から確認されたのは世界で初めて。
これまでも、火災で竜巻が発生する可能性は考えられていたが、科学的に証明することができなかった。
しかし、キャンベラの科学者グループが、2003年のキャンベラ・ブッシュファイア時の膨大な量の画像、映像、記録を集めて分析し、火炎竜巻が発生していたと結論した。
この研究論文は科学誌「Natural Hazards」に掲載されている。
研究を主導したリック・マクレー氏は、
「火炎竜巻はキャンベラの西の山岳地帯で発生し、市内に向かって東進した。
私たちが調べた竜巻は山岳地帯を出てキャンベラに差しかかった時点で基底部の直径が500m近くにもなり、破壊状況から判断して基底部周辺の水平方向の風速は250km/hを超えていたと考えられる。
また垂直方向の風速は150km/hになっていた。
竜巻は火災に伴う旋風とは異なる現象で、火炎旋風は地上の熱せられた地面に接しているが、火炎竜巻は通常の竜巻と同じで上空の雷雲の底に接している」
と述べている。
さらに、
「この研究で火炎の挙動についても重要な成果が得られた。
我々の分析では、この火炎竜巻は、
竜巻の強度を表す改良藤田スケール[竜巻の強度を5段階で等級化したもの]で、
少なくとも2の強さだった。
この強い竜巻がキャンベラ周辺住宅地縁辺部の火災の挙動に大きく影響していたし、住宅の屋根を吹き飛ばし、乗用車を道路から吹き飛ばす強さもあった。
このブッシュファイアと膨大な情報のおかげで火炎竜巻の仕組みを突き止めることができたし、科学界のために火炎竜巻の実態を文書にまとめることができた」
と語っている。
また、緊急救援関係当局がブッシュファイアそのものの理解を深める一助になれば幸いだと述べている。(NP)
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【気なる目次(4)】
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