2012年8月9日木曜日

電力の供給予備率、日本は韓国の3倍

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朝鮮日報 記事入力 : 2012/08/09 12:46
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/09/2012080901405.html

電力の供給予備率、日本は韓国の3倍

 韓国電力取引所(ソウル市江南区)の中央電力管制センターと非常対策状況室の職員約20人は8日、電力需要が非常事態を迎える中、緊張して電力供給状況を見守った。
 電力需要がピークに達した午後3時の電力使用量は7250万キロワット、供給予備率は5.8%だった。
 6日に記録した3.8%ほど深刻ではないが、取引所職員は
 「5.8%という数字は依然として非常事態といえるレベルだ。
 今月末まで安心できない」
と語った。

 日本の電気事業連合会のウェブサイトで同日の電力需給状況を調べると、電力供給能力は最大で1億6928万キロワット、最大電力需要は午後2時の1億3726万キロワットで、電力供給の余裕分を示す供給予備率は19%に達した。

日本に電力供給トラブルはなかった

 なぜ状況はこうも異なるのか。
 韓国電力取引所と日本の電気事業連合会によると、今年5月現在で日本の発電設備の総出力は2億520万キロワット。
 8日の最大電力需要と比較すると33%も余裕がある。

 日本は今年5月までに原子力発電所54基の稼働を一時中止した。
 発電能力の20%を占める原子力発電がなくても、全国的な停電など非常事態は起きなかった。
 一方、韓国では現在検査中の原発2カ所を除くと、ほぼ全ての発電所が100%稼働している。
 発電量を増やそうとしても方法がない状態だ。

 日本にも問題がないわけではない。
 全国的な供給予備率は十分だが、電力供給は地域の電力会社9社に管轄が分かれており、電力会社間で融通できないケースもある。
 特定地域で電力不足が起きても、他地域と電力供給の仕組みが異なるため、緊急事態に直面する可能性は否定できない。

 一方、韓国で発電設備が足りないからといって、無計画にただ設備を拡充すればよいわけではない。
 発電能力が過大でも非効率的だからだ。
 ただし、日本は緊急時に原発の稼働が全て止まっても、電力供給を調整する能力を備えているが、韓国にはそれはない点が問題だ。

「電力に余裕、原発は必要なのか」

 日本も原発の稼働中断により、今年8月の電力の供給予備率が0.1%まで低下し、大規模停電が発生する懸念があった。
 このため、日本政府は原発54基のうち2基を再稼働させた。

 その後、日本では連日の猛暑にもかかわらず、供給予備率が10%台を維持するほど電力供給には余裕がある。
 このため、むしろ原発再稼働に対する批判が飛び出している。
 昨年とは異なり、計画停電、電車の運転本数削減など苦痛を伴う節電対策も実施されていない。

 長期にわたり稼働を停止していた火力発電所(273万キロワット)をはじめ、非常発電設備(318万キロワット)、企業の自家発電設備(301万キロワット)、揚水発電(1967万キロワット)などの供給余力を総動員したほか、国民の自発的な節電が大きな効果を発揮した格好だ。

 節電の「科学化・生活習慣化」によるところも大きい。
 トヨタ自動車は自家発電設備を導入し、昼間に稼働している。
 余った電力は周辺の工場に供給している。
 工場用ロボットを改良し、ロボットの稼働数を半分に減らした。
 電力の無駄遣いだと批判を受けた自動販売機でも節電対策が取られている。
 日本のコカ・コーラは、深夜電力で冷蔵庫を稼働し、冷気を昼まで保存することで昼間の消費電力を95%も減らした節電型自販機へと交換した。
 企業の多くが、従来の電球に比べ最大で80%の節電効果がある発光ダイオード(LED)電球へと交換した。
 こうした努力により、大半の企業は10%以上という節電目標を達成した。

 エアコンを使わなくても涼しく過ごせるアイデア商品も人気だ。
 肌に塗ると、汗を吸収してくれるパウダー、霧状の水(ミスト)を吹き出す扇風機、首に巻くと体温を下げる効果があるスカーフ、小型扇風機が付いた作業服などが代表的だ。
 自宅でエアコンを付けず、公共の場所で涼む「クールシェア」も流行だ。
 とにかく節電だという韓国
とは異なる風景だ。




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