2012年8月4日土曜日

「揺るがぬ存在となった韓国経済の没落」:没落の公式とは?

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朝鮮日報 記事入力 : 2012/08/04 11:57
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/04/2012080400785.html

住宅取引氷河期、売買が金融危機時の半分に

 ソウル市江北区にある5000戸規模のマンション団地では最近、売買が全く成立しない状態だ。
 付近の不動産代理店約20カ所は開店休業状態で、一部は営業を中止し、休業に入った。

 不動産代理店の経営者(45)は、机の引き出しから使い古した売却物件帳簿を取り出し
 「これは1月に売りに出された物件なんだが」
と顔を曇らせた。
 この帳簿には3ページにわたり、約40件の売却物件が載っていた。
 経営者は
 「もう長いこと契約書を書いていない。
 この物件では需要が多い59平方メートルの物件1戸が6月に売れただけだ。
 金融危機直後の2008年8月でさえ、9件の売買があったのに
と語った。

 住宅市場は今、過去最悪の低迷期を迎えている。
 政府が06年に統計を取り始めて以降で最低の水準だ。相場より数千万ウォン(数百万円)安い至急売却物件にも買い手が付かない。
 住宅取引が活発とされてきたいわゆる「バブルセブン」(首都圏の人気住宅物件7カ所)でも、金融危機当時に比べ、成約件数が半分に落ち込んだ。
 裁判所の競売市場では、入札が2-3回不調に終わり、価格が鑑定価格の半額まで下落した物件が相次いでいる。
 無理なローンでマイホームを購入した「ハウスプア」の人たちは、価格下落と売却困難により、破産の危機に直面している。

■人気物件も閑古鳥

 ソウル市の江南、瑞草、松坡、陽川の各区、京畿道の盆唐、坪村、竜仁の3地域の計7地域は韓国で最も人気がある住宅地で、「バブルセブン」と呼ばれる。
 しかし、これら地域も住宅市場低迷による直撃で、第2四半期(4-6月)の売買件数は約8400件にとどまった。
 金融危機が始まった08年の同じ時期(約1万6000件)の半分という状況だ。
 特に陽川区、坪村新都市では成約件数が60%以上減少した。

 不動産情報サイト「不動産114」のキム・ギュジョン本部長は「陽川区と坪村新都市は、人気学区を狙った需要が減った上、再開発による好材料が下火となり、相対的に落ち込みが激しい」と指摘した。

 バブルセブンに属する各地域でランドマークとなっているマンションでは、価格が急落している。
 一時は富裕層のステータスと称されたソウル市江南区道谷洞の「タワーパレス第1期」(面積165平方メートル)は、2006年の33億ウォン(現在のレートで約2億2700万円、以下同じ)から現在は18億-22億ウォン(約1億2300万-1億5100万円)に暴落した。
 瑞草区盤浦洞の「来美安ファースティージ」(87平方メートル)も09年7月の入居開始以来初めて、9億ウォン(約6200万円)を割り込んだ。
 道谷洞の「道谷レクスル」も109平方メートルの物件が10年の13億ウォン(約8900万円)から今年5月には9億6000万ウォン(約6600万円)へと26%も下落した。

■競売物件は半額も

 売買市場での成約が途絶える中、住宅ローンの返済に行き詰まり競売に付されるマンションが増えている。
 不動産競売情報サイト「不動産テイン」によると、首都圏のマンション競売件数は、08年の1万5216戸から昨年には2万9858戸へと倍増した。
 同サイトの担当者は「住宅担保ローンの返済負担が増大する一方で、住宅価格は下落を続け、金融機関が(担保物件の)マンションを競売にかけるケースが増えている」と指摘した。

 しかし、競売でも売れないマンションが増え、価格が半額にまで低下する物件が続出している。
 先月10日、ソウル南部地裁で競売にかけられた陽川区新亭洞のマンション(162平方メートル)は、鑑定価格の55%の5億5010万ウォン(約3780万円)で落札された。
 同物件は市中の最安物件でも8億3000万ウォン(約5700万円)程度なので、相場よりも4割近く安い値段が付いた。

 別の専門サイト「GGオークション」のハ・ユジョン研究員は「首都圏で競売が2-3回不調に終わる物件が増え、相場の半額程度で買うことができるマンションが増えている」と説明した。

■崖っぷちのハウスプア

 住宅市場の低迷が長期化し、ハウスプアの苦痛も極限に達している。
 元金返済に追われ、クレジットカードで借り入れを行う人、住宅を売っても住宅ローンの返済額に満たない人が出てきている。

 会社員Yさん(45)は、ローンの利払いができず、今年初めに5000万ウォン(約340万円)の当座貸越を受けた。
 Yさんは京畿道盆唐にある面積100平方メートルの物件を10億5000万ウォン(約7200万円)で購入した。
 広い家に住み替えられる上、含み益も狙えるとして、6億ウォン(約4100万円)を借り入れた。
 だが、現在Yさんの自宅は相場が8億ウォン台半ばまで下落した。
 Yさんは
 「月収の40%近くをローンの利払いに充てている」
と話した。

 5年前に京畿道竜仁市の5億ウォン(約3440万円)のマンションを購入するに当たり、2億ウォン(約1370万円)を借り入れたJさん(54)は「物件価格が4億ウォン(約2750万円)まで下落したので、ローンを返済し、(借り主に)賃貸保証金を返却すれば手元に一銭も残らない」と話した。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/08/04 11:55
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/04/2012080400784.html

今年上半期の住宅取引、過去6年で最低

 韓国国土海洋部(省に相当)によると、今年上半期の住宅売買取引件数は49万4727件で、政府が2006年に調査を開始して以来で最低だったことが分かった。
 景気低迷と住宅価格下落が続き、住宅購入意欲が冷え込み、価格を10%以上引き下げた売り急ぎ物件でさえ買い手が付かないのが実情だ。

 上半期の住宅売買取引件数は、世界的な金融危機直後の2009年上半期の49万7083件も下回った。
 取引件数が最多だった08年上半期(68万203件)と比べれば68%の水準にとどまった。

 特に首都圏で取引の低迷が目立つ。ソウル市での取引件数は5万2387件で、06年上半期(13万683件)の半分にも満たなかった。京畿道は9万6239件で、調査開始以来初めて10万件を割り込んだ。首都圏の住宅取引低迷は全国に広がりつつある。

 地方では最近1-2年、新築マンションの販売が好調で、住宅価格が10%前後上昇し、中古物件の取引も活発だった。
 しかし、今年上半期はソウル・京畿道を除く地方の住宅取引件数が前年同期比23%減の31万6101件に減少した。
 専門家は「住宅取引の不振は、建設業界だけでなく経済全般に悪影響を与える恐れがあり、取引活性化策を取ることが急がれる」と指摘した。


 わずか2ヶ月前には
 「揺るがぬ存在となった韓国経済」
 「危機のたびに強くなる韓国」
 「大国の仲間入り果たした韓国、成功の公式とは?」
 「レベルの高い消費者、開放された内需市場」
と、ウハウハしていたのに。
 この2カ月で何が起こったというのだろう。
 でも、この不況は2カ月前から起こったものではない。
 相当前からのものである。
 ということはこの記事は
 「ウソ記事」
ということになる。
 「揺るがぬ存在となった韓国経済」と書くべきではなく、
 「揺るがぬ存在となった韓国経済の没落」
と記述すべきではなかったのか。

 「危機のたびに強くなる韓国」
なら、この危機をきっかけに
 「さらに強くなる韓国経済」
ということになるのだが。
 それに期待しよう。
 中国は後半期から回復するというから、韓国もそれに引っ張られる可能性は残されている。
 もし中国が回復しなかったら。
 地獄を迎えることになるが、それは考えないことにする。
 きっと大丈夫。
 中国は回復する。
 


朝鮮日報 記事入力 : 2012/08/06 12:40
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/06/2012080601278.html

【社説】冷え込む住宅市場、対策が急務だ

 今年上半期の全国の住宅売買取引件数は46万5000件で、韓国政府が2006年に調査を開始して以来、過去最低を記録した。
 取引件数が最も多かった08年上半期(68万件)と比べると、30%以上急減したことになる。
 特に、ソウル市での取引件数は約5万2000件で、06年上半期(約13万件)の半分にも満たなかった。08年の世界金融危機の直後よりも、不動産市場はさらに冷え込んでいる。

 市場の冷え込みで、住宅価格が急落している。ソウル市やその他首都圏では、相場より数千万ウォン(1000万ウォン=70万円)安い売り急ぎ物件にも買い手が付かない状況だ。
 不景気に加え、価格がさらに下がると見込んでいる人が多いためだ。
 住宅価格が高いころに無理なローンでマイホームを購入した人の中には、価格下落で思うように売却できず、破産の危機に追い込まれるケースもある。
 負債の返済のため売りに出しても買い手が付かず、競売にかけられた物件は、昨年は首都圏だけで2万9000件に達し、08年(1万5000件)に比べ倍増した。

 政府はこれまで、住宅価格の下落に歯止めをかけ、取引を活性化させるため、20回余りにわたり様々な対策を打ち出してきたが、目立った効果は見えていない。
 住宅価格下落の影響で、ローン資産価値比率(LTV)の上限(不動産価格に対する借入金の割合の上限。首都圏50%、地方60%)を超えた借入金が、6月末現在で50兆ウォン(約3兆5000億円)を超えている。
 京畿道の板橋、東灘、金浦、光教、坡州などの首都圏2期新都市では、住宅価格が分譲価格以下に下がった団地が増えたため、分譲契約者たちが契約を放棄し、訴訟が相次ぐ事態となっている。

 韓国では不動産が個人資産の80%を占める。
 900兆ウォン(約63兆円)を超える個人負債問題も、不動産価格の下落と深い関連がある。
 住宅価格がこれ以上値下がりすれば、400兆ウォン(約28兆円)に達する住宅ローンが焦げ付き、銀行などの金融機関に影響が及び、実体経済が冷え込むことは明らかだ。

 スペインの場合、07年の時点では政府債務残高の対GDP(国内総生産)比が36%台と、欧州で最も財政が健全な国だったが、住宅価格下落の影響で金融関連企業が相次ぎ破綻し、国の財政までが傾くという事態に見舞われた。
 韓国にとって、スペインの状況は決して他人事ではなく、住宅の値下がりに歯止めをかけられなければ、経済が急速に失速しかねない。
 取得税の引き下げなどで住宅売買に伴う税負担を軽減するといった緊急対策が急がれる。
 また、高齢化や一人・二人世帯の増加に合わせ、小型住宅中心の供給構造に変えていくほか、住宅を購入し賃貸事業に参入する民間企業へのインセンティブ提供も実施すべきだ。






【気なる目次(4)】


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