2012年8月3日金曜日

後半にかけて中国経済は緩やかに回復する見通し?

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レコードチャイナ 配信日時:2012年8月3日 8時34分
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<コラム・巨象を探る>
中国景気が急減速、財政支出と金融緩和で浮揚に懸命
―秋の政権交代控え共産党政府

 中国景気が減速している、2012年4~6月期の国内総生産(GDP)は、前年同期比7.6%増。
 12年の経済成長率目標の7.5%は上回ったが、リーマン・ショック(世界的経済危機)があった08年以来、3年ぶりに8%割れとなった。
 日米欧の経済成長率とは比較にならないほど高い成長率だが、04年度以降、基本的に年率10%超の成長率を維持してきた中国の「勢い」は急速に萎んでいる。
 
 2010年までの中国経済は北京五輪や上海万博の開催に伴う多くの公共事業が経済を下支えしてきた。
 東京五輪後の日本やソウル五輪後の韓国と同様の現象。世界的な経済危機のリーマンショックが起きた2008年には4兆元(約50兆円)を素早く投入し、100年に一度と言われた世界的危機を救ったのは記憶に新しい。
 しかし、2011年7月の高速鉄道事故以来、公共投資は見直しを余儀なくされた。

欧州危機で輸出急減 
 
 これまで公共投資と並んで中国経済の原動力となってきた輸出の伸びも急速に鈍化している。
 12年6月、輸出入の受注状況を示す指数がいずれも前月を下回って50を割り込んだ。
 2011年に前年比20%増に達した輸出だが、12年1~6月は9.2%増と鈍った。
 最大の貿易相手であるEU (欧州連合)の債務危機が大きく影響した。
 輸出の鈍化が中国内の生産活動に波及し、中国の投資家心理の冷え込みにつながった。

 中国では大学生の卒業時期は7月だが、今年、多くの新卒者が就職できない状況。
 製造工場での一般労働者はなお求人難だが、大学進学率が同世代人口の30%に上昇したため、大学新卒者の苦境が際立っている。
 経済成長率が8%を大きく割り込むと失業者が増え、社会不安が深刻化しかねないため、
 中国政府は8%成長の維持に懸命。
 特に胡錦濤政権は
 10月に予定されている政権交代を控え高めの数字を出したい
意向
と言われる。
 
 景気減速を食い止めるには内需拡大が不可欠。
 中国経済は、戦後日本の経済復興と酷似している。
 日本も米ドルとの固定レートを武器に、輸出を拡大することで、年率10%もの高度経済成長を達成。
 変動相場への移行や、国民全体が豊かになったことで経済成長は鈍化した。

 中国のGDPに占める消費の割合は34%。
 日本は約60%、インドでも約50%あり、中国はまだ伸びる余地が大きい。
 中国は2005年6月以降、徐々に人民元を切り上げている。
 今後、人件費もさらに上がるが、同時に個人消費の伸びが期待できる。
 今後の経済成長は、輸出から消費への転換がカギとなる。

 一時上昇していた消費者物価上昇率が、6月に前年同月比2.2%と沈静化、高止まりしていた食料価格も落ち着きを取り戻している。
 このため、財政、金融両面でのさらなる景気刺激策発動の余地が出てきた。

景気対策を総動員

 落ち込んでいた投資が上向く兆しも出始めている。
 不動産販売金額の減少幅が縮小、下落していた不動産取引価格が上昇に転じた都市もある。
 今年は第12次5カ年(2011~15年)計画関連投資の本格化が見込まれ、鉄道・高速道路・水利合わせて9兆元の整備が計画されている。
 省エネ家電や自動車などの普及へ補助金を支出する消費刺激策も打ち出された。
 中国の11年の財政赤字のGDP比はわずか1.1%と極めて良好なため、今後も追加の景気刺激策が期待できよう。

 金融面でも、11年末以降、中国人民銀行は預金準備率を引き下げており、今年6月には3年半ぶりに政策金利も引き下げた。
 賃上げ、物価安定維持、消費刺激策などにより個人消費が拡大すれば、
 年後半にかけて中国経済は緩やかに回復する見通し。
 通年では昨年に比べて伸びは鈍化するも、通年目標の7.5%を上回る8%台の成長が見込まれるという。

 中国共産党は7月31日、胡錦濤主席が主宰する政治局会議を開き、今年後半の経済政策について
 「安定成長をさらに重要な位置に据え、積極的な財政政策と穏健な金融政策を継続する」
方針を決定した。
 景気を下支えすることで、経済発展と社会の安定を保ち、今秋の党大会を迎えることを再確認したもの。
 どの国でも政治と経済は不可分だが、特に中国では密接に絡み合い、政治の季節にはこの傾向が際立つ。 

<「コラム・巨象を探る」その16>
<「コラム・巨象を探る」はジャーナリスト八牧浩行(Record China社長・主筆)によるコラム記事




レコードチャイナ 配信日時:2012年8月5日 5時33分
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中国経済は危機に直面しておらず、まだ大きな成長チャンス―米紙

 2012年8月1日、米紙USAトゥデイは「投資家は中国を警戒すべきか」と題した記事を掲載し、中国経済の現状を分析した。
 3日付で環球時報が伝えた。

 中国の各都市で住民がほとんどいないゴーストタウンが増加している。
 北京のある集合マンションでは、管理者は「空室率は低く、販売は好調だ」と強調するものの、駐車場の入庫率は3割程度しかなく、1階のテナントには小さなスーパー1店舗しか入居していない。

 中国から伝わる各種情報も、中国経済に対し警報を発し続けている。
 中国政府は最近、2度にわたり金利を引き下げ、成長の安定化を図ろうとしているが、不動産市場や株式市場への影響はまだはっきりしていない。
 また、多くの評論家は、中国の経済データは不透明であり、真実を測り難いため、投資家は慎重になるべきだと指摘している。

 しかし、中国経済が短期間のうちにクラッシュすると考える人はほとんどいない。
 各銀行の実質的な株主が中国政府であるなど、欧米に比べてより強力な政策が採用できるからだ。
 資産運用会社テンプルトン・エマージング・マーケッツ・グループのマーク・モビアス会長は
 「中国のような指令型経済体制では、潜在的な危機を緩和する多くの方法を用いることができる
と指摘する。
 また、中国の第3四半期(7-9月)の国内総生産(GDP)成長率は反発するとの米金融界の予測もある。

 では現在、中国経済は危機に直面しているのだろうか?
 米国の金融関係者が想像するほど状況は良くないにしろ、恐らくまだその段階ではないだろう。
 モビアス会長は
 「多くの心配は、自分たちが苦境に陥れば、彼らも苦境に陥るはずだという心理的な要素に基づくものである。
 中国はまだ巨大な成長チャンスを持っている
と語っている。




レコードチャイナ 配信日時:2012年8月26日 20時26分
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<中華ボイス>上がり続ける物価に停滞する収入、生活苦にあえぐ庶民―経済学者

 中国は大きな発展を遂げたことにより、生活環境は豊かになった。
 それに伴い物価が上昇しているが、見合うほどの収入がある人は少なく、多くの中国人が生活苦にあえいでいる。
 実際、今年4月に米世論調査会社ギャラップが公表した2010年世界幸福度調査では、中国国民のわずか12%しか幸福を感じておらず、イラクよりも低い結果だった。
 また、71%の中国人は生活が厳しいと感じ、17%は非常に苦しいと感じていたという。

 2012年8月21日、中国の経済学者・郎咸平(ラン・シエンピン)氏は、
 「米国は高収入低物価の国で、米国人1人で家族を養える
 しかし中国は低収入高物価の国で、
 仮に夫婦共に安定した職があったとしても、子供1人養うのにも苦労する。
 こんな社会は中国以外に思い当たらない
と自身のマイクロブログで中国の生活苦を訴えた。




【気なる目次(4)】


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