2012年8月25日土曜日

アップルの一方的勝利:サムスン825億円の支払い

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ロイター 2012年 08月 25日 10:51 JST
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPTYE87N05E20120825

アップルが特許訴訟で勝利、サムスンに825億円支払い命令

[サンノゼ(米カリフォルニア州) 24日 ロイター] 
 米アップルと韓国のサムスン電子の特許侵害をめぐる米連邦裁判所での訴訟で24日、陪審員の評決が発表された。
 陪審団はアップルの特許が侵害されたと判断し、
 10億5100万ドル(約825億円)
の損害を認定した。
 評決はアップル側の勝利と言える内容となった。

 評議ではアップルの特許7件、サムスンの特許5件について検討されたが、開始から3日足らずで評決に達したことから、陪審員9人はほぼ問題なく結論に至ったとみられている。

 サンタクララ法科大学院のブライアン・ラブ教授は、評決はアップルにとって大勝利と指摘。
 「アップルが期待したと考えられるベストシナリオ」
と述べた。

 サムスン電子は評決を受け、イノベーション(技術革新)を阻害し、価格の押し上げにつながるため、
 「米国の消費者にとっての損失だ」
とする声明を発表。
 「評決は今回の訴訟あるいは世界中の裁判所や法廷で繰り広げられている戦いの最後の言葉ではない。
 一部の訴訟ではアップルの多くの主張が既に退けられている」
と指摘した。

 24日の米国株式市場終了後に発表された評決を受け、アップル株は時間外取引で約2%上昇し、最高値の675ドルをつけた。

 スマホのデザインや機能をめぐる、アップルのサムスンに対する批判は、グーグルのアンドロイド端末への攻撃との見方が多い。
 だが、アップルとサムスンはライバルであると同時に、サプライチェーン面では緊密な関係がある。
 アップルはサムスン製マイクロプロセッサー、その他部品の主要顧客でもある。

 アップルとサムスンの訴訟は世界各国で繰り広げられている。

 24日これより先、韓国の裁判所は、サムスン電子のスマートフォン(多機能携帯電話)「ギャラクシー」はアップルの「iPhone(アイフォーン)」と外観がよく似ているものの、サムスンによるデザインの侵害はなかったとの判断を示し、アップルに対してはサムスンのワイヤレス技術に関する特許2件を侵害したとして4000万ウォン(3万5400ドル)の支払いを、サムスンに対しては、電子文書をスクロールする際に使う機能に関するアップルの特許1件を侵害したとして2500万ウォンの支払いを、それぞれ命じていた。

*内容を追加します。


 もっともな勝利ということだろう。
 「パックった利益を吐き出せ」ということになる。
 この判決に引きづられて世界各地でサムスンの賠償判決が出ると、サムスンは立ちゆかなくなってしまう。
 おそらく、最後は中国系が買収することになるのだはないだろうか。


ANNニュース





毎日新聞 2012年08月26日 10時46分
http://mainichi.jp/select/news/20120826k0000e020113000c.html

特許侵害訴訟:敗訴サムスンに打撃 グーグル陣営に影響も

 【ワシントン平地修】世界のスマートフォン(多機能携帯電話)市場で火花を散らす米アップルと韓国サムスン電子による法廷対決は24日、米カリフォルニア州連邦地裁の陪審団がサムスンによるアップルの特許侵害を認定、約10億5000万ドル(約825億円)の賠償を命じ、アップルにほぼ全面勝訴の軍配を上げた。
 アップルは今回の評決を受けて、サムスン製品の米国内での販売差し止めを求める方針。
 認められればサムスンはスマホなどの販売戦略を一から見直す必要に迫られ、世界で急成長を続ける経営戦略に大きな影響が出そうだ。

 米メディアによると、アップルの弁護士は21日に開かれた最終弁論で
 「アップルの4年間の投資と独創力を、サムスンは3カ月で模倣して取り入れた」
と主張し、サムスン製品の不当性を糾弾。
 サムスン側はソニーや三菱電機の製品など特許の「先行例」を挙げてアップルの特許の無効性を訴えた。

 9人で構成される連邦地裁陪審団の24日の判断は、アップルの「iPhone(アイフォーン)」や「iPad(アイパッド)」のタッチパネルなどに関する特許侵害を認め、一方で、サムスンが訴えたアップルによる特許侵害は認めなかった。

 両社は昨年4月、アップルが連邦地裁にサムスンを提訴して以降、世界計10カ国・地域で同様の訴訟を繰り広げている。
 アップルはサムスンの製品「ギャラクシー」がアイフォーンなどの模倣だと主張、サムスンも逆にアップルによる通信技術などに関する特許侵害を訴え、争いは泥仕合の様相になっている。

 背景にあるのが両社の激しい販売競争。
 米調査会社IDCによると、今年4〜6月期のスマートフォンの世界出荷台数のシェアはサムスンが32.6%とアップルの16.9%を引き離し首位を走る。
 タブレットではアップルのアイパッドが約7割を占め、1割弱のサムスンを圧倒している。

 サムスンはアップルが敵視する米グーグルの基本ソフト(OS)アンドロイドを製品に採用する陣営の筆頭格。
 今後の判決によっては、日本を含めた世界のグーグル陣営の動向にも重大な影響を与えることになる。





朝鮮日報 記事入力 : 2012/08/27 10:29
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/27/2012082700844.html
特許紛争:アップルの主張を全面支持した陪審評決
 今回の評決でアップルの主張はほぼ100%認められたのに対し、サムスン電子の主張はほとんど認められなかった。
 一方的な結論という印象が強い。
 陪審団はサムスン電子がアップルの特許を侵害したとして、10億4934万ドル(約826億円)を賠償するよう命じた。
 同じ英米法の裁判所でも、英国の裁判所は、サムスン製品はアップルのデザイン特許を侵害してはいないとの判決を下している。
 英国の裁判所は
 「アップルのデザインには独創性が欠け、サムスン製品にはアップル製品との差別性がある」
と判断した。

■四角形に丸い角も特許

 今回の訴訟は、アップルとサムスン電子がほかの8カ国で展開している訴訟と同様、デザインと通信関連の特許による対決だった。
 アップルは米国での訴訟で、デザインとユーザーインターフェース分野でサムスンを相手取り、7件の訴訟を起こした。
 このうち最も論議を呼んだのは、スマートフォン(多機能携帯電話端末)の外観に関する3件だった。
 まず、スマートフォンの形状を四角形とし、角を丸く処理した点。
 次にスマートフォンの表面下部に「ホームボタン」(初期画面に戻すためのボタン)一つ、側面にボリューム調整キーなどをそれぞれ配置した点がデザイン特許に当たると主張した。
 アップルはこれらを「固有のデザイン特許」と主張し、陪審員はアップルの主張を認めた。
 サムスンは法廷で「アップルもソニーのデザインを参考にしてiPhoneを作った」と攻勢をかけたが、陪審員に認められなかった。

 さらに、スマートフォンの初期画面でアイコンを碁盤の目にように配置したのも特許だというアップルの主張も認められた。

 今回の一方的判決で、損害賠償額は当初予想額を大幅に上回った。
 アップルはデザイン特許に関しては1台当たり24ドル(約1900円)、ほかの分野の特許については同2-3ドル(約160-240円)の賠償を要求した。

■ユーザーインターフェースも特許

 最近スマートフォンに一般的に採用されているユーザーインターフェースのうち、アップルが自社の特許だと主張した3件も全て認められた。
 スマートフォンでデータをページをめくるように閲覧し、最後のページで画面がそれ以上めくれずに跳ねるような動きをする「バウンスバック」と呼ばれる技術、2本の指で画面の特定部分を拡大・縮小する「フィンガー・トゥー・ズーム」機能、画面を2回タッチすると文書が拡大される技術がいずれも特許に当たると判断された。

 一方、サムスンがアップルに侵害されたと訴えた通信関連の特許は1件も認められなかった。
 内容は分割伝送されるデータの区分技術、重要度別のデータ送信電力減少技術など携帯電話端末でデータ通信を行う際に必要な技術などだ。

■陪審員の一方的判決

 米国人9人で構成される陪審団は、評議開始から22時間でアップル圧勝の評決を下した。
 陪審団は社会福祉士、主婦、市役所職員、オートバイショップの経営者、無職など、ほとんどIT分野とは無関係の人物で構成された。
 陪審団代表のホーガン氏(67)は
 「サムスン電子の特許侵害が意図的だということを絶対的に確信した。
 陪審団が発しようとするメッセージは単なる軽い警告ではなく、十分な苦痛を与える程度でなければならない」
と述べた。

 米特許専門企業、ジェネラル・パテントのポルトラック最高経営責任者(CEO)は
 「陪審員裁判はその性格上、陪審員が自分の立場で善悪を区分するものになる」
と予想していた。

■陪審員とは
 陪審員とは陪審員裁判に参加し、有罪・無罪の判断、事実関係の認定を行う一般市民を指す。
 米国の裁判では法律専門家の代わりに陪審員が訴訟を見守り、合議による評決を下す。
 その内容は大半のケースで判事の判決にそのまま反映される。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/08/27 10:28
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/27/2012082700841.html
【社説】サムスンとアップルの特許訴訟から得られる教訓

 米国カリフォルニア州連邦北部地裁の陪審員9人は24日(現地時間)、サムスンのスマートフォン(多機能携帯電話端末)とタブレットPCがアップルのiPhoneとiPadのデザインや機能関連の特許6件を侵害したとして、10億5000万ドル(約830億円)の賠償を命じる評決を下した。
 一方、サムスンが訴えたアップルによる5件の通信技術特許侵害については全て棄却した。

 この評決の前日に韓国で行われた訴訟では、サムスンがアップルに「判定勝ち」を収め、結果的に両国で行われた裁判は正反対の結果となった。
 ソウル中央地裁は、アップルがサムスンの特許2件を侵害したとの判決を下す一方、アップルの「角が丸い四角のデザイン」についての特許は認めなかった。
 また英国やドイツの裁判所でも、サムスンのギャラクシータブがアップルのiPadのデザインを模倣したとは認められなかった。

 このように各国で相反する判決が出ている理由は、米国では裁判の審理を専門家ではなく、一般市民が行う陪審員制度を採用しているからだ。
 陪審員は難解な技術関連の問題を深く検討するよりも、目に見えるデザインや機能関連の特許を重視したはずだ。
 今回の裁判は非常に複雑な問題を抱えているため、評決が延期されるとの見方もあったが、実際にはわずか22時間で審理を終えた。
 この事実も、このような見方を後押しする一つの根拠となっている。
 困難な経済状況の中、米国を代表する企業のアップルに善戦を期待する陪審員の心理が、評決に影響を及ぼした可能性も考えられるだろう。

 ただし、たとえそのような背景があったとしても、
 米国の裁判所が「トレードドレス」の考え方を幅広く認めた事実
には注目すべきだろう。
 「トレードドレス」とは、ほかの製品と区別する外形や感覚を意味する概念で、
 韓国ではまだあまりなじみがないが、米国ではすでに一般化している。
 今回の評決は、スマートフォンやタブレットPCについても、デザインと関連する新たな知的財産の概念を認めた点で大きな意味がある。
 今後1カ月以内に担当判事が判決を下すことになっているが、今回の陪審員による評決と大きな違いはないと予想されている。

 サムスンは控訴の意向を表明しているが、いずれにしても大きな打撃となったのは間違いない。
 10億5000万ドルという巨額の賠償金も問題だが、それ以上に「コピーキャット」という汚名が付いて回ることの方が深刻だ。
 今回の評決が、現在各国で審理の行われている50件以上の特許訴訟に影響を及ぼす恐れもある。
 サムスンは今後の裁判でも引き続き最善を尽くさなければならないが、より根本的な課題は、デザインやソフトウエア分野でのサムスンの力量を向上させ「模倣」という問題を根本的に克服することにある。
 そのための短期的な対策として考えられるのは、世界トップクラスの専門家を招き、サムスン社内でのデザイン力を高めることだ。
 次に中長期的な対策は大学など教育機関への支援だろう。
 韓国国内で世界的なデザイナーを育てるには、大学が世界のデザイン業界をリードする教授を招き、教育施設を強化しなければならないが、これにサムスンが貢献できる方法を見いださなければならない。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/08/27 10:53
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/27/2012082700905.html

特許紛争:サムスン、最悪のシナリオが現実に
崔志成室長と申宗均社長が休日返上で対策を検討

 サムスン電子の経営陣は日曜日の26日、休日を返上し、ソウル市瑞草区瑞草洞にあるサムスンビルに集まった。
 サムスン未来戦略室の崔志成(チェ・ジソン)室長、携帯電話事業担当の申宗均(シン・ジョンギュン)社長が午前9時ごろ相次いで姿を現した。
 同事業を担当する無線事業部の役員もほとんどが出勤し、アップルの完勝となった今回の判決を受け、今後の対策について話し合った。

 サムスン電子のある役員は
 「(アップルの本社がある)米国の裁判所で行われた訴訟のため、陪審員の顔ぶれからある程度不利な判決も予想していた。
 しかし判決の内容や賠償金の額からすると、最悪のシナリオが現実のものになったと言えるだろう」
と述べた。

 サムスン電子の雰囲気は「静中に動あり」だ。
 公の立場としては、米裁判所での判決へのコメントは極度に控え、動揺を最小限に抑えると同時に、次の手続きに取り掛かっている。
 崔志成室長ら経営陣は、ビル1階で待機していた取材陣らの質問に堅く口を閉ざした。

 サムスンは今後、アップルが求める販売禁止措置に対抗し、最終判決への備えと控訴審への準備作業などを行う。
 業界関係者によると、特許訴訟を専門に扱うサムスン電子IP(知的財産権)センターの担当者の多くが現在、米国に派遣されており、判決への異議申し立てなど今後の対策について検討を行っている。

 今後の裁判の方向性について、サムスンはアップルと敵対関係にある別のIT企業と連携する方策も話し合われているようだ。
 アップルの訴訟はサムスン電子だけでなく、スマートフォン用ソフトウエアやハードウエア関連企業の多くを対象としているため、ほかの企業と協力し合って対応する必要があるからだ。

 今回の陪審員判決を受け、サムスン役員らの雰囲気は比較的落ち着いているようにも見えるが、内部では怒りの声が高まっているという。
 サムスンのある役員は
 「多くの役員が米陪審員団の資格に疑問を持っている。
 今回は非常に難解な特許訴訟なのにもかかわらず、専門家でない人が多数含まれる陪審員団によって判決が下された。
 このような判決を受け入れなければならないのだろうか」
と不満を口にした。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/08/27 10:54
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/27/2012082700911.html

特許紛争:アンドロイド機種への打撃狙うアップル

 世界最大のスマートフォン(多機能携帯電話端末)市場である米国での特許訴訟で、サムスン電子に特許を侵害されたとの主張が認められたアップルは24日、サムスン製品の販売差し止めを申し立てた。 
 裁判所はアップルに具体的な製品リストの提出を求めた。

 アップルは米国でサムスン電子のスマートフォンを販売できなくすることを最終目標として掲げている。
 クック最高経営責任者(CEO)は、陪審評決後に全社員に送った電子メールで
 「きょうはアップルが勝利した大事な日だ。
 陪審団がサムスンの行動を故意的だったことを明らかにし、泥棒行為は正しくないという明確なメッセージを送ったことに喝采を送りたい」
と述べた。

 市場調査会社のストラテジー・アナリティクス(SA)によると、今年第2四半期(4-6月)の北米地区のスマートフォン市場で、アップルの販売台数は首位の850万台(シェア33.2%)で、サムスン電子は600万台(23.4%)で2位だった。
 3位はモトローラ(230万台)、4位はLG電子(210万台)だった。

 評決を受け、サムスンと同様にスマートフォン用基本ソフト(OS)に「アンドロイド」を採用している陣営も危機に直面した。
 アップルは宏達国際電子(HTC)、モトローラなど他のアンドロイド系スマートフォンを相手取った訴訟を本格化させるとみられる。
 アップルが巨額の賠償金を要求し、攻勢をかければ、世界の携帯電話市場の約70%を占めるアンドロイド陣営全体に大打撃が避けられない。
 グーグルはアップルの特許訴訟に備え、重要な通信関連特許を多数保有するモトローラを買収したが、サムスン・アップル間の訴訟ではサムスンを側面支援したとされる。

 アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏は生前、アンドロイド陣営を「泥棒」呼ばわりし、反感をあらわにしてきた。
 同氏の伝記には
 「必要ならば死の瞬間まで残された人生と銀行にある400億ドル(約3兆1500億円)の資金を全てつぎ込み、アンドロイドを倒す。
 アンドロイドとは核戦争も辞さない」
と書いている。

 アップルはスマートフォン用OSの「iOS」を独自開発し、iPhoneにのみ使用している。
 iPhoneはスマートフォン市場を開拓したものの、グーグルがアンドロイドをメーカーに無償提供し、市場で逆転を許した。
 市場調査会社ガートナーによると、第2四半期の世界のスマートフォン市場で、アンドロイドのシェアは64.1%に達した。
 2位のiOSは18.8%だった。
 今回の評決でアンドロイド陣営が打撃を受ければ、iOSのシェアは上昇するとみられる。
 アンドロイド陣営にとって最大の悩みはデザイン特許だ。
 米国の陪審員は「四角形で丸い角」のデザインをアップル固有のものだと判断した。
 大半のスマートフォンは四角形で角が丸いため、今後アップルに訴訟を仕掛けられる可能性がある。
 オ・ビョンソク弁理士は「特許訴訟は常に市場で首位の企業をターゲットにするものだ。
 アップルがサムスンにまず訴訟を仕掛けたのもそのためだ」と述べた。

 サムスン電子は、デザイン特許を侵害したと判定された製品の大半が旧型モデルのため、販売差し止め措置が下されても大きな打撃はないと予想される。
 初代のギャラクシーSは現在生産を中止し、主力の後継モデル「ギャラクシーS3」は訴訟の対象ではない。
 しかし「ギャラクシーS2」はまだ販売中のため、多少の被害は避けられないとみられる。
 サムスン電子は新製品の「ギャラクシーS3」と「ギャラクシーノート2」から、問題となり得るデザインを事前に外した。

 アンドロイド陣営をリードするサムスン電子が「模倣者」という汚名を着せられたことも悪材料となりそうだ。

■アンドロイドとは
 インターネット検索大手のグーグルがスマートフォン、タブレット端末などモバイル機器用に開発したOS。
 無償で公開し、サムスン電子、HTC、モトローラなどが採用している。
 グーグルはアンドロイド上で作動するアプリで収益を上げている。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/08/28 10:05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/28/2012082800848.html

特許紛争:サムスンの対アップル訴訟費用、全世界で2億ドル

 サムスン電子とアップルが展開する「世紀の特許訴訟」で、弁護士はどれだけの収入を得るのか。

 一連の裁判の事情を知る関係者によれば、サムスン電子は9カ国で展開している裁判にこれまでに少なくとも2億ドル(約157億円)を弁護士費用として支払ったとのことだ。
 別の関係者によると、弁護士費用は2500億ウォン(約173億円)に上ったという。
 特に最前線の米国の訴訟には、弁護士費用の20%前後がつぎ込まれたとされる。
 米国での裁判で、サムスン側弁護士は約500億ウォン(約37億円)を手にした計算だ。
 アップルもサムスンと同程度の費用を支払ったとされる。

 陪審員が結果を左右する米国の裁判の特性上、陪審員の気持ちを動かす優れた弁護士には多額の報酬が支払われたとみられる。
 弁護士にとっては、まるで西部のゴールドラッシュの再現だった。

 『グーグル的思考』の著者、ジェフ・ジャービス氏は「特許訴訟に世界のIT企業が昨年支払った費用は180億ドル(約1兆4200億円)に達し、IT産業の革新にとって障害になっている」と指摘した。


 「10億5100万ドル」に加えて訴訟費用「2億ドル」。
 合わせると日本円で「約1000億円」
 これがパクリの代償となる。
 これから、これがさらに上積みされていく。
 サムスンの未来は暗い。
 韓国は現代自動車とサムスンでもっているようなものである。
 現代自動車は東日本大震災のときは世界のナンバー4の自動車メーカーを目指すと豪語していたが、一年たったら足元がふらついて、会長が世界を飛び回る状態に陥っている。
 次はサムスン。
 やはり将来は中国資本の傘下に入るしか生き延びる道がないようである。



毎日新聞 2012年09月01日 東京朝刊
http://mainichi.jp/opinion/news/20120901ddm003070100000c.html

質問なるほドリ:
アップル・サムスン訴訟 両社は何を争っている?=回答・立山清也

◇操作法などの特許技術 シェア争い、10カ国で50件訴え
 なるほドリ 米アップルと韓国サムスン電子の訴訟は、何を争っているの?

 記者::スマートフォンやタブレット端末に使われている特許(とっきょ)をめぐり争っているのです。
 アップルが自社の技術をサムスンにコピーされて使われていると訴え、サムスン側が訴え返すという構図で、日本以外に米国、韓国、英国、ドイツ、オーストラリア、フランスなど世界10カ国で約50件の訴えを起こし国際的な特許紛争になっています。
 世界のスマホ市場で両社は約50%のシェアを占めていますが、この大訴訟の行方を世界中のメーカーが注視しています。

Q どんな技術が問題になっているの?

A 例えば、指で2度たたくと画面を拡大できる機能などの操作方法です。
 長方形で丸みを帯びたスマホのデザインについても争っています。
 31日の東京地裁ではパソコンとスマホなどでデータを同一化する機能について争い、アップルは敗訴しましたが、これ以外にも同地裁ではタッチ画面の操作性などをめぐる訴訟が継続中で、両社の法廷闘争(ほうていとうそう)は今後も続きます。

Q どうして訴訟合戦になったの?

A 背景には世界のスマホ市場での覇権争(はけんあらそ)いがあります。
 伝記によると、アップル創業者(そうぎょうしゃ)の故スティーブ・ジョブズ氏は、サムスンの基本ソフトを「アップルの『アイフォーン』のアイデアを盗んだものだ」とし、「水爆を使ってでも抹殺する」と激怒したといいます。
 アップルは「先行者メリットで後発グループの追い上げを阻み市場での優位性を保つため」(MM総研の横田英明・通信アナリスト)に訴訟を乱発し、シェア確保に躍起になっているわけです。

Q 日本メーカーへの影響は?

A アップル勝訴が世界中で続けば、サムスンと同じ基本ソフトを使っている日本メーカーもスマホの開発で注意が必要になってくるでしょう。
 「両社は簡単には和解せず、訴訟が長期化する可能性が高い」(アナリスト)とみられています。
 そうなると、トラブルを避けるため、アップルの特許侵害を招いた基本ソフトから別のソフトに変更するメーカーが出てくるとの指摘もあります。(東京経済部)

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 ◆各国での主な訴訟の状況◆
国名      状況
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日本      サムスン勝訴 サムスンの特許侵害認めず
米国      アップル勝訴 約825億円の賠償命じる
韓国      引き分け   両社に賠償命じる
英国      サムスン勝訴 サムスンの販売認める
ドイツ     アップル勝訴 サムスンの販売禁じる
オーストラリア サムスン勝訴 サムスンの販売認める
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ウオールストリートジャーナル 2012年 8月 31日 11:56 JST
http://jp.wsj.com/Business-Companies/Technology/node_504267

アップルの特許訴訟、グーグルに照準

 米アップルは、韓国のサムスン電子を相手取ったもう一つの訴訟で真正面からグーグルにその訴訟面での力を誇示している。

 アップルが先週、明確な形でサムスンに勝訴した米カリフォルニア州での裁判は、グーグルのモバイルOS(基本ソフト)「アンドロイド」に関連したものも若干あったが、焦点はサムスンが開発したハードウェアに置かれていた。

 アップルが今年2月に起こしたもう一つの裁判は、同社が自社のものだとする8件の特許全てがアンドロイドを搭載したスマートフォンによって侵害されたというものだ。
 これには、ユーチューブやグーグル・マップ、Gメール、それにユーザーが同時に複数のデータを検索できるクイックサーチボックスなど、人気のグーグル・アプリケーションのアンドロイド版で見られるものが含まれている。
 
 アップルはこの裁判の一環として、グーグルがサムスンと共同開発したスマホ「ギャラクシー・ネクサス」の販売差し止めも求めた。 グーグルは通信会社を通じた販売に加えて、このスマホをオンライン店舗による直接販売でも手掛けている。

 一部の関係者はこの裁判を「グーグル裁判」あるいは「アンドロイド戦争」などと呼んでいる。

 グーグルも裁判の動向を注視している。
 関係筋によると、同社はアンドロイドのパートナー企業に対してアップルが取っているさまざまな法的措置に介入する選択肢を検討しているという。
 別の筋によれば、グーグルのページ、アップルのクックの両最高経営責任者(CEO)は知的財産紛争について話し合うために会ったことがある。
 ロイターは先に、CEO間の協議について報じている。

 二つの裁判を担当しているカリフォルニア州サンノゼ連邦地裁のコー判事は、アップルによるギャラクシー・ネクサスの販売差し止め請求を認めたが、控訴裁判所は問題の検討が終わっていないとして、差し止めの実行を認めていない。

 控訴裁の差し止めに関する決定は今後2カ月のうちに出ると見られる。
 全体の裁判は開示手続きが始まったばかりで、今のところ審理は暫定的に2014年3月に予定されている。
 サムスンを弁護する法律事務所クイン・エマニュエル・アークハート・サリバンは30日、先週陪審の評決が出た裁判で重要な役割を果たした同事務所のマネジングパートナー、ジョン・クイン氏を弁護団に加えると裁判所に通知した。

 シュネーダー・ハリソン・シーガル・ルイスの弁護士ケビン・テーラー氏は「私がグーグルなら、この裁判をもっと注意深く見るだろう」と述べた。

 アップルがグーグルのアンドロイドを攻撃しようとしていることは明白だ。
 アップルの共同創業者、故スティーブ・ジョブズ氏は以前から、かつてのパートナーが「iPhone(アイフォーン)」から技術を盗んでいるとし、報復すると述べていた。

 アンドロイド搭載のスマホはここ数年、アイフォーンの市場シェアを食っており、調査会社IDCによれば、今年第2四半期(4-6月)のアンドロイド・スマホの出荷シェアは68%、これに対してアイフォーンは17%だった。
 このためアップルはアンドロイド搭載機器メーカーを相手取った訴訟を世界中で起こしており、11年に提訴して先週陪審評決が出た訴訟もその1つだ。
 評決はサムスンの特許侵害を認めて10億5000万ドルの損害賠償を命じた。

 今年2月に提起した裁判でアップルは、サムスンの十数種類のデバイスが、アップルの8件の特許を侵害していると主張している。
 これにはロック解除のためのスワイプなどが含まれているが、サムスンは特許侵害を否定している。

 アップルはグーグルを直接訴えていないが、その理由は明らかにしていない。
 法律の専門家らは、無償でアンドロイドをスマホメーカーに提供しているグーグルに比べると、スマホを消費者に販売している企業を相手取った方が損害を証明するのが容易だと指摘した。
 また、さまざまなスマホメーカーを直接訴えることによってアップルは多くの裁判で保険をかけることができる、とも言われている。

記者: Jessica E. Vascellaro




朝鮮日報 記事入力 : 2012/09/03 09:25
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/09/03/2012090300579.html

【社説】サムスンとコーロンの敗訴から得る教訓

 韓国のコーロンインダストリーが米国デュポン社と争ったアラミド繊維技術をめぐる損害賠償訴訟で、米バージニア州連邦地裁は8月30 日(現地時間)、コーロン製品の販売禁止を含む原告勝訴の判決を言い渡した。
 この結果、コーロンは今後20年間、米国など他国でアラミド繊維の生産・販売が禁止されることになった。
 米裁判所は昨年11月にも、コーロンがデュポンの営業秘密を侵害したとして、コーロン側に対し過去5年間に米国に輸出した額の 300倍を上回る9億2000万ドル(約720億円)の賠償を命じる判決を下している。
 アラミド繊維は防弾服や光ケーブルなどに使われるハイテク化学繊維で、コーロンは26年にわたり研究を重ね、2005年にようやく生産に成功した。
 ところがデュポンはコーロンに対し 
 「コーロンは元デュポンの社員とコンサルティング契約を結び、デュポンが1971年に世界で初めて開発したアラミド繊維の営業秘密を盗んだ」
として、裁判所に訴えを起こした。

 今回の裁判を担当した裁判長は、デュポンと他社との間で争われたアラミド繊維関連の訴訟で、これまで何度もデュポン勝訴の判決を下した人物だ。
 そのため先日サムスンがアップルに敗訴した裁判と同様、今回も非常に後味の悪い結果を残してしまった。
 このように最近になって米国企業が韓国企業を相手取り相次いで特許訴訟を起こしているのを見ると、1980年代に日本企業に同じような訴訟を相次いで起こしていたときのことを思い起こさせる。
 同種の訴訟はここ2-3 年の間に急増しており、昨年の時点で米国の裁判所では計117件が審理中だ。

 今後、韓国企業は特許問題に対する発想の大転換が必要になった。
 米国企業は特許や営業秘密などの知的財産権を、次世代の戦略分野の一つとして位置付けているからだ。
 これを受けて米国での知的財産権保護の範囲も、以前に比べて範囲が大幅に拡大している。
 最近はチアガールの衣装、レストランのメニューといったものまで商標法で保護されているほか、特定の製品にのみ使われる独自の色にまでデザイナーの権利が認められた。

 世界知的所有権機関(WIPO)の統計によると、
 韓国の 2011年の国際特許出願件数は1万447件で
 米国、日本、ドイツ、中国に次いで世界5位だ
 しかし韓国企業が国内で出願した特許が無効とされる割合も毎年60-70%に達しており、世界でも最高水準だ。
 一方で特許権者が裁判で勝訴する割合は20%と世界最低水準で、
 発明家が裁判で勝った際、特許を侵害した人物から受け取る賠償額も平均5000万ウォン(約345万円)と最も低額だ。
 「特許はタダ」という認識が法律関係者や企業関係者はもちろん、社会全般に定着しているからだ。

 かつて世界最強のエレクトリック企業だったソニーは、技術開発の勢いが衰えると同時に衰退の道を歩み始めた。
 政府はソニーの事例を教訓に、独創的な技術の開発を後押しする国家戦略を進めていかねばならない。
 また、企業も社員が新技術を開発した場合には破格の待遇を約束するなど、時代の変化に見合った特許戦略を打ち立てていかなければならない。





ニューズウイーク 2012年08月28日(火)18時44分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2012/08/post-2662.php

Phone訴訟:「サムスン敗訴」で本当の敗者は誰?
Who Really Lost the Apple vs. Samsung case?

サムソンのスマホが「iPhoneに似すぎている」との判決でアンドロイド携帯と通信キャリアの未来に激震が

 8月24日、米カリフォルニア州連邦地裁で陪審団によって下された「アップル勝訴」の評決は、激震となって携帯電話やソフトウエア、ネット関連業界を揺さぶろうとしている。

 米アップルと韓国のサムソン電子が互いを訴えていたこの裁判で、サムスンがiPhoneやiPadの特許を侵害しているというアップルの主張がほぼ全面的に認められたのだ。
 サムソンは約10億5000万ドルの賠償支払いを命じられた。

 特許侵害が認定された6つのなかには、製品の全般的な形状やデザイン(「トレード・ドレス」呼ぶ)も含まれる。
 つまり、サムスンのスマートフォンの見た目がアップルのiPhoneに似すぎている、というわけだ。

 さらに、ユーザー・インターフェイスに関わる特許の侵害も認定された。
 その1つが、2本指で画面を拡大・縮小する技術。
 画面のスクロールに関する特殊な機能についても、特許侵害が認められた。

 この評決によって、誰が勝利し、誰が敗北したのだろうか。

 まず明らかなのは、アップルが勝ち、サムソンが負けたことだ。
 サムソン製品に搭載されているグーグルのアンドロイドOSは世界の携帯電話市場で急速にシェアを伸ばしているが、ビジネスという意味では成功には程遠い。
 アンドロイドがグーグルにもたらす収益はごくわずかだし、アンドロイド端末で利益を上げているのはサムソンだけだ。

 スマートフォン市場での唯一の真のライバルを打ちのめす今回の評決は、アップルにとっては大きな勝利だ。
 アップルは早速、サムソンの「ギャラクシーS4G」など8機種のアメリカでの販売禁止を求める仮処分を申請した。

 2番目の敗者は、サムソン以外のアンドロイド端末メーカーだ。
 これらの企業がトレード・ドレスの特許侵害を問われるケースは少ないだろうが、ユーザー・インターフフェイス関連の特許で類似の訴訟を起こされる可能性はある。

■グーグルへの影響は意外に小さい?

 グーグルも当然、打撃を被る。
 スマートフォン向けOSを無償で提供する戦略の是非はともかく、そう決めた以上、グーグルはこの戦略を成功させなければならない。
 だが今回の判決は、ユーザーにとってアンドロイドOSがもはや「無料」でないことを意味する。
 ユーザーも訴えられるリスクを負うからだ。
 すなわち、ユーザーも敗者なのだ。

 とはいえ、ビジネス面での同社のリスクは小さい。
 アンドロイドは収益の柱ではなく、メールと検索連動広告の分野では好調が続いている。

 グーグル以上に深刻な打撃を受ける真の敗者は、通信サービスを提供するキャリアかもしれない。
 各社とも長年、iPhoneに愛憎半ばする感情を抱いてきた。

 iPhoneが登場したおかげで割高なブロードバンドの利用者が激増した点では、iPhoneに感謝している。
 だがiPhoneの人気が高すぎて、交渉の主導権をアップル側が握られた。
 iPhoneでは特定のキャリアに合わせたカスタマイズは認められていないし、キャリアはiPhone販売権と引き換えにアップルに巨額の「上納金」を支払う必要がある。
 痛い出費だが、かといってiPhoneを販売しなければお客が集まらない。

 それだけに、アンドロイドOSの台頭は多くのキャリアにとって福音だった。
 複数の携帯端末メーカーが高性能のアンドロイド搭載機種を発売したため、キャリア各社は交渉の主導権を取り戻し、自社に合わせたカスタマイズも可能になった。

 iPhoneを脅かすアンドロイド携帯の登場を望んでいたキャリア各社にとって、アンドロイドの足を引っ張る要素はすべてマイナス材料だ。な
 かでも、iPhoneのライバルの座に最も近かったサムソンの敗北は、深刻な痛手となる。

 一方、明確な勝者は弁護士だ。
 サムソンは確実に控訴するだろうし、同様の訴訟が韓国やイギリス、日本など世界各国で進行している。

 今回のアメリカでの判決を受けて、特許制度が本来の意義からかけ離れているとの批判も高まっている。
 サムソンとしてはそうした世論が高まり、形勢が覆るよう祈るしかない。
 
© 2012, Slate







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