2012年8月3日金曜日

マイクロソフトのタブレット大革命:サムスン没落への序曲?

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●不屈の精神 マイクロソフトらしからぬ(?)クールなデザインの「サーフェス」 David McNew-Reuters



ニューズウイーク 2012年08月01日(水)18時01分 
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2012/08/post-2641.php

マイクロソフトのタブレット大革命
Microsoft's Tablet Revolution

ダニエル・ライオンズ(テクノロジー担当)
[2012年7月 4日号掲載]

 マイクロソフトが先週、タブレット型端末「サーフェス」を発表した。
 iPadよりやや大きい10・6インチの画面に重さ約680グラム、画面カバーがキーボードも兼ねる作りになっている。
 マグネシウム製のハードケースも含めてデザインはクール。
 これでiPadはもう時代遅れになった、と書いた業界ブロガーもいる。

 だがそんなことは大して重要ではない。
 大事なのは、マイクロソフト、ひいては業界全体にとって、
 サーフェス登場は1つの時代の終わりを告げる
という事実だ。

 サーフェスはデルやヒューレット・パッカードなどのパソコンメーカーではなく、マイクロソフト自身によって作られた。
 これは
 マイクロソフトが、OSとハードウエアの両方を開発するアップルのビジネスモデルを採用し始めた
という意味だ。

 業界で起きている大きな変化を反映した動きともいえるだろう。
 業界は「ポストPC時代」を迎えている。
 スマートフォンやタブレットなどモバイル時代の到来であり、こうした機器に対応する新しいビジネスモデルが求められる時代だ。

 ポストPC時代は、1社でソフトからハードまですべてのソリューションを提供する時代でもある。
 アップルもグーグルもマイクロソフトも、ハードウエアからOS、ストレージ用のクラウドサービスまですべてを取りそろえる。

見捨てられたパソコンメーカー

 これまでソフトウエアに専念してきたマイクロソフトがハードウエア業に手を出すことを、快く思わないパソコンメーカーは少なくないはずだ。
 マイクロソフトはウィンドウズOSを提供しながら共に歩んできたパソコンメーカーを見捨てようとしている。
 さらに厳しい現実を言えば、こうしたメーカーの多くは衰退する運命にある。

 この競争の激しいモバイル時代を、独自のOSを作らないハードウエアメーカーが生き抜いていくのは至難の業。
 向こう5〜10年で、自社でOSを作らない携帯電話やパソコンメーカーは業界から姿を消すだろう。

 スマートフォンやタブレット市場に加えて、前述の3社がしのぎを削ろうとしているのが、テレビ市場だ。
 アップルはアップルTVでそれなりの成果を出したが、グーグルは中途半端なグーグルTVで大失敗した。

 テレビ市場で先頭を走っているのは、マイクロソフトだ。
 ゲーム機器として人気を得たXbox360は今や、テレビから音楽、映画やスポーツまで楽しめるホームエンターテインメント機器に進化している。
 近年アップルやグーグルに押され気味だったマイクロソフトが輝きを取り戻しつつあるのか。
 その答えは、クールなサーフェスが出してくれるかもしれない。

 あんなにイケてなかったマイクロソフトからこんな製品が誕生するなんて誰が予想しただろう。
 そもそもマイクロソフトにデザイナーがいたことを誰が知っていただろう。

 だがそんな相手にされていなかったデザイナーたちが最近、素晴らしい作品を次々と世に送り出している。
 アークタッチマウス、ウィンドウズ8の新ユーザーインターフェース「メトロ」を見ればいい。

 私は記者としてマイクロソフトを25年間見てきた。
 この会社の人間はとても優秀で変化にもうまく適応できることを知っている。
 競争力があり不屈の精神も持っている。失敗を繰り返しても決して諦めない会社だ。

 ここ数年、私も含め多くの人間がマイクロソフトを軽視してきた。
 だが、それは大きな間違いだったのかもしれない。


 「向こう5〜10年で、自社でOSを作らない携帯電話やパソコンメーカーは業界から姿を消す
と堂々と宣言している。
 ということは、一番危ないのはどこかというと、サムスン。
 いま、サムスンは絶頂にいる。
 そして韓国経済もサムスンによりかかっている。
 もしこの予言が現実となってあらわれたとすると、サムスンの没落が始まるということになる。



毎日新聞 2012年08月03日 09時58分(最終更新 08月03日 10時18分)
htttp://mainichi.jp/select/news/20120803k0000e020179000c.html

タブレット型端末:世界出荷 米アップルが首位を維持

 米調査会社IDCが2日発表した4〜6月期のタブレット型多機能端末の世界出荷調査によると、米アップルが前年同期比84%増の1704万台と首位を維持した。
 3月に発売した新型の「iPad(アイパッド)」が好調で、シェアは68.2%と、2位の韓国のサムスン電子(9.6%)を大きく引き離して独走している。

 全体の出荷台数は66%増の2499万台。
 サムスン電子は前年同期比2.2倍の239万台だった。
 3位には、米国だけでタブレットを販売している米アマゾン・コムが125万台で続いた。

 台湾メーカーの華碩電脳(アスース)が2倍強の85万台で4位。
(ニューヨーク共同)


 マイクロソフトがアップルを追いかけ、肩を並べるようになると、相対的に他のメーカーは隅に追いやられる。
 このとき、一番被害を受けるのはサムスンになってしまう。
 


【気なる目次(4)】


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